英語のスピーキング力の上達にはインプットとアウトプットが大切

英語学習に必要な「リスニング」「スピーキング」「リーディング」「ライティング」の4技能のうち、苦手とする人が多いのがスピーキングです。スピーキングは、ひたすらアウトプットを繰り返せば上達するように思えますが、実はそうでもありません。もちろん教科書や参考書で勉強するようなインプットだけでも駄目です。
ですから、「読むことはできるけれど、話すとなると全然ダメ」というのが、多くの英語学習者の共通の悩みではないでしょうか。
ここでは、スピーキング能力を高めるにはどのような勉強法が効果的なのかご紹介します。

アウトプット中心の学習では、スピーキング上達が頭打ちになる

英語を話す力であるスピーキングを鍛えるには、ひたすらアウトプットを繰り返せばいいと思いがちですが、必ずしもそうではありません。言語学の世界では、「言語の上達に必要なのは大量のインプットと少量のアウトプット」であることが、理論として確立されています。

アウトプットに注力した学習の問題点は、基礎となる英語力の底上げができないことです。インプットは基礎力を上げるもの、アウトプットは身に付いた基礎力を実際に使えるようにするものと、それぞれ役割が違います。ですから、いくらアウトプットを続けても、土台となる基礎力が伸びないので、元々持っていた基礎力にスピーキング力が追い付けば、そこから上達することはありません。もちろん、会話の中から新しい単語を学ぶことも不可能ではないでしょう。ですが、アウトプットで学べる単語量は、インプットを行うことから得られる単語量に比べて極端に少なくなります。

ただし、日本人の場合、「中学・高校で英語を学んだことで、インプットは多いが、アウトプットの量が絶対的に足りていない」という人が非常に多いので、少し事情が異なるところもあります。トライズの受講生でも、「基礎はしっかりしているのに実践だけが不足していた」という人であれば、アウトプット特化型の学習が最適という場合もあります。
ですが、これは特例で、一般的には中学・高校で基礎を学習していても、インプットとアウトプットを並行して行ったほうが効率良く学習できます。

インプット、アウトプットの最適な割合はまだ解明されていませんが、だいたい9:1が目安と考えられており、トライズでも、そのくらいの割合でスケジュールを組んでいます。

「読めるけれど話せない」を脱するための勉強法

日本人に多い「読めるけれど話せない」状態を脱出するためには、次のような点に気を付けてインプット・アウトプットを行い、スピーキング力を向上させるのがおすすめです。

インプットする場合はフレーズやパターンを学習する

英語の基礎力を高めるインプットを行う場合は、頭で考えずに口から出せるフレーズやパターンを増やすことを意識しましょう。「Can you~?」のような定番表現、定型フレーズ、定型句といったものから学習をはじめ、慣れれば「会議の司会をするときの決まり文句」「海外出張に行ったときの頻出フレーズ」など、自分自身が目標とするテーマに沿ったフレーズを覚えていきます。

勉強の方法としては、シャドーイング(聞き取った英語を、すぐにそのまま、まねして復唱する)が効果的です。シャドーイングは、教材のレベルを調整することでリスニングとスピーキング、どちらをより強化したいかを調整できます。
スピーキング力を鍛えたい場合は、聞こえる音を完全にコピーできるレベルの素材を選び、それを何度もシャドーイングするのがおすすめです。意味をしっかり理解した上でシャドーイングを繰り返せば、スピーキング力の向上と発音が良くなる効果が期待できます。

アウトプットはインプットで学んだ知識を実践する場

インプットを基礎トレーニングだとすれば、アウトプットは練習試合のようなものです。ですから、アウトプットを行う場合は、学んだ知識の中で「覚えたつもりだったけれど実際には身に付いてなかった」という確認や、話をしている中で「こんなフレーズを話せるようになりたい」など、今後、インプットしたい内容が見えてくることもあるでしょう。
また、アウトプットは、シャドーイングではできない、自分で新しい文章を組み立てる練習にもなります。

アウトプットの相手はネイティブスピーカーであるべきか?

英語のアウトプットを練習するとき、会話の相手はネイティブスピーカーであるべきでしょうか。
ネイティブスピーカー以外でも、アウトプットを練習する効果は十分にあります。例えば、非ネイティブが相手でも、英語を話すことに慣れることができますし、自分の知らない単語や表現を学べる機会はあります。また、前述したような「覚えていると思った表現が使えなかった」「言いたいことがあるのに、どう言えばいいのかわからなかった」など、マスターしていないフレーズなどを見つけることもできるでしょう。
必ずしもアウトプットの相手がネイティブでなければいけないということはありません。

しかしやはり最大限ネイティブスピーカーと会話の機会を持つべきです。
ネイティブの話す速度、よく使うフレーズなどの生の英語に触れることができますし、ネイティブではない相手と違い、なまりのある英語や間違いのある英語だと通じないことも多いので、良い練習になります。
またネイティブスピーカーと話すことで、「ネイティブと話す」という心理的ハードルを取り除くこともできるのです。

スピーキングの上達を阻む3つの壁

スピーキングの上達には、インプットとアウトプット両方の学習が必要です。しかし、アウトプットに関しては「恥ずかしい」など、心理的な理由からハードルを感じる人が少なくありません。
ここでは、スピーキングの上達を阻む代表的な気持ちの壁と、その乗り越え方を紹介します。

1 下手な英語を話すのが恥ずかしい

日本の英語学習者は、英語力がしっかり身に付いている人でも「周りと比べて、自分の英語は下手だから恥ずかしい」と感じる人が多いようです。トライズでも、グループレッスンの後で個別に感想を聞くと、参加者全員が「私が一番下手」とか「私が足を引っ張っている」など、自分に対して否定的な答えが返ってくることがあります。

他人と比べて落ち込みそうになったときは、「周りと比べて自分の英語がどうか」ではなく、「英語を使って何ができたか」に意識を向けてみましょう。英語を学ぶ目的は、英語を話すことそれ自体ではなく、英語で仕事をすることだったり、コミュニケーションをとることだったりするはずです。
目的を思い出して、「英語力はまだまだでも、仕事はできたからOK」と考えれば、自信につながっていきます。

2 できないことにばかり目が向いてしまう

日本の英語学習は減点式で評価されるため、日本人は「できない」ことがあると萎縮してしまう傾向があります。ですが、できないことを数えてもきりがないので、「何ができるようになったのか」を確認する習慣をつけ、小さな「できた」を積み重ねていくのがおすすめです。
例えば、小さな目標を設定したCAN-DOリストを用意すれば、1つクリアするごとに自身の上達を実感することができるでしょう。

3 もう少し話せるようになってからとしり込みする

英語のフリートークカフェへの参加をすすめると、「もう少し話せるようになったら行きます」という人がいますが、1つの語学をマスターしてネイティブ並に話せるようになろうと思えば、10~30年はかかります。
ですから、いくら実力が上がっても「もう少し」と言い続けることになり、満足する日は絶対に来ないので、先延ばしにする意味はないのです。

発音を学ぶ必要はあるか?

英語のアウトプットで一番気になるのは発音かもしれません。発音は、語学における第一印象を決める要素ですから、英語の発音が上手にできるほうがいいでしょう。ですが、発音を専門的に学ぶことがいいかといえば、意見が分かれるところでしょう。例えば、トライズでは、発音の学習は必要ないと考えています。英語を話す目的は「英語を使って◯◯をすること」であって、英語を話すこと自体が目的ではないからです。
ですから、相手に英語が通じるのであれば、発音にはそれほどこだわらなくても構わないのです。もちろん、発音が下手だと第一印象はやや悪くなる可能性はありますが、教養がある相手ならきちんと話の内容を聞いてくれますし、コミュニケーション上、問題が起こることもほとんどありません。
特に12歳を超えてから発音を伸ばすのは非常に困難なので、発音の勉強に割く労力を他の英語学習に回した方が、はるかに効率的に英語力を高めることができます。

では、どのようにすれば、相手に自分の英語が通じるようになるのでしょうか。伝わる英語を話すには、音の正確さよりも抑揚やリズム、アクセントのつけ方のほうが大切です。例えば、「McDonald’s (マクドナルド)」は、日本語で話すときのように「マクドナルド」と平板に読むのはもちろんダメですし、先頭や語尾にアクセントをつけて英語っぽく読んでも通じません。しかし、「D」にアクセントを置いて「マクダーナル」という風に読めば、カタカナ発音でもだいたい通じます。
では、どこにアクセントを置けば聞こえるようになるのでしょうか。このアクセントや文の抑揚、リズムのつけ方については、シャドーイングをしっかり繰り返すことで身に付きます。ですから、発音よりシャドーイングをしっかりと練習しておくのが良いでしょう。

英語学習は、目標設定をしっかりと

「英語が話せる」の定義は人それぞれですが、上を見てもきりがありません。そこで、英語力の上達を目指すなら、まずどこがゴールなのか、目標をはっきり定めることが大切です。
目標が「英語で仕事をすること」であれば、たとえメモを使ったとしても、英語で仕事ができたら問題ありません。まずは小さな目標から、一歩一歩進んでみましょう。

なお、国内でアウトプット学習を行うには、オンライン英会話や英会話カフェを利用する、英語を使って活動するグループやイベントが探せる「Meetup」などのサイトを使ってイベントに参加する、といった方法があります。しかし、これらはフリートークが中心になるので、目的に合った英語のアウトプットができません。
トライズの場合は、コースの中に毎週3回(オンラインおよび対面グループ)、ネイティブ講師と話すアウトプットの時間を組み込んでいます。「英語でプレゼンしたい」など、学習に特化したアウトプットを行いたい人は、ぜひトライズでの学習をご検討ください。



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