公益財団法人日本サッカー協会（JFA）に勤務され、グローバルな場面での高いレベルのコミュニケーションを目指し、トライズを受講された田村様。6カ月間を経てどのような手応えを感じているのか、じっくり伺いました。

独学では目指す英語力に届かないと感じた

今回、英語学習に取り組まれてみようと思われたきっかけをお話しいただけますか。

私は3年ほど前に転職してJFAに入局したのですが、グローバルな接点の多い仕事をしたいという希望を持っていました。大学を卒業した時から一貫してグローバルな仕事や環境にはずっと興味関心があり、そこに携わってみたいという気持ちが、まず前提としてありました。

一方で、自分のやりたいことと持っているスキルセットには、まだギャップがあるなとも感じていました。一番分かりやすいものが言語でした。その中でも特に、スピーキングやリスニングなどのオーラルコミュニケーションに弱点を感じていました。

これまでにもオンライン英会話や語学学習アプリなどを利用して自助努力はしていたのですが、どうにも限界がある、ドラスティックに変える何かがないとブレイクスルーしないのではないかと悩んでいたところ、ちょうど職場でトライズを受講させていただけるというお話がありました。これこそ今の自分の求めているものだと思いましたし、職場で受けることで良い意味でプレッシャーになり、またとない機会だなと感じて、手を挙げさせていただきました。

初回のVERSANT※テストでは51点を取られており、すでに高い英語力をお持ちだったかと思うのですが、独学で少しずつ積み上げてこられたのでしょうか。

高校・大学の中で英語学習はそれなりにしてきたので、全くゼロからのスタートではありませんでした。が、業務で英語を使うとなると、JFAには言語に長けている方や日本語が堪能な外国の方もいらっしゃる中で、そのような方々の出すパフォーマンスと比べるとかなりギャップがあるなと感じていました。そういった意味では、もともと自分の持っていた英語力は全く満足できるものではありませんでした。

トライズの受講期間を経て、そのギャップは単純な英語力というよりも英語をコミュニケーションとして使う、ある種の場慣れというか自信のようなものも大きかったなと、今になって思います。これは、トライズの受講を通して初めて気づけたところです。

※1：イギリスの教育大手ピアソン社が全世界向けに販売している英語のスピーキングテスト。20点～80点で評価され、日本人の平均は38点（2018年 ピアソン調べ）。47点がグローバルビジネスに必要な英語力とされる。

以前は、英語の会議で何を話しているのか分からなかった

お仕事では、どんな場面で英語を使われるのでしょうか。

限定的ではありますが、ちょうど2022 FIFAワールドカップで戦ったスペインやドイツのサッカー協会の方々とのミーティングの機会などがあります。以前は、ほとんど何を言っているか分からないという状態でした。

第二言語として英語を話す方とのコミュニケーションは、少しハードルが上がりますよね。

おっしゃるとおりです。他にも、アジアを統括しているAFC（Asian Football Confederation）にはアジア圏の方々が集まっていて、独特なイントネーションがあります。業務の中できちんと相手の言っていることを理解し、自分の伝えるべきことを伝えるという点で、全然できていないなと思っていました。プレゼンを聞いて質問はあるかと尋ねられても、何も言えないということがよくありました。

振り返ると、その原因は英語力の物足りなさとマインドブロックの部分、半々程度という気がします。ずっと日本で過ごしていたので、海外の方が話す英語は、全て完璧に聞こえてしまうんですよね。よくよく聞いているとそうではないということにも、学習を進めていく中で気づけるようになりました。

そのような場面で、より高いレベルでコミュニケーションが取れるようになる、というのが田村様の目標だったのでしょうか。

明確に「業務で使えるレベルにしたい」という目標が、非常に大きかったです。単にコミュニケーションをするだけではなく、例えば、交渉の場であれば我々が得ようとしている成果を得られる、意見交換の場であれば相手の言っていることを理解できる。コミュニケーションを経て必要なアウトカムをきちんと得られるようになることを目指していました。

初回コンサルティングで目標を定め、ロードマップを引かせていただいたかと思うのですが、実際のレッスン内容についてお話を聞かせていただけますか。

担当コンサルタントの方には、6カ月の中で、まず前半はインプットを増やし後半でアウトプットに特化していくという大まかな考え方をご提案してもらいました。前半のシャドーイング学習では、それほどスピードが速くない教材を使用し、徹底的に耳を慣らして発音をまねることによって、相手の発音を理解できるようにすることを目指しました。後半は、スピード感もあり、ビジネスシーンにより近い教材を選んでもらったので、よりプラクティカルな経験を積むことができました。

スピーキング学習では、前半にフレーズ集でスッと出てくるまでフレーズ暗記を重ね、とにかくインプットを増やしてオンラインレッスンの中で少しずつ使えるようにしていこうという戦略でした。後半は、出されたテーマについて自分の意見を英語でまとめ、前半で覚えたフレーズをどのように使っていくかというアウトプットの訓練を重ねました。

日々の学習は、受講開始時にコンサルタントと立てた学習スケジュールに沿って、粛々と進めました。基本は朝に集中して取り組みましたね。レッスンも全て朝の早い時間に入れていただいたので、すっかり朝型になりました。（笑）

専属ネイティブコーチとの信頼関係は大きい

レッスンではどのような学習をされましたか。

2名の担当コーチのうち、1人のコーチとは決まった教材を使っていましたが、もう1人には、毎週ニューストピックを挙げていただき、事前に読んでディスカッションをしました。

どちらのコーチとのレッスンも楽しかったです。先ほどマインドブロックというお話が出たように、ネイティブの方と会話するのに及び腰のところがあったのですが、だんだんと聞き取れる言葉が多くなったり、自己学習で覚えたフレーズが自然と口から出てきたりするようになると、手応えを感じられてどんどん楽しくなりました。 また、2人とも様々な国の文化に造詣の深いコーチだったので、知らないことを教えていただくのも面白かったです。それから、2人ともサッカーが大好きだったので、共通の話題で盛り上がれたのもうれしかったです。

トライズのレッスンはコーチが専属なので、田村様とは6ヵ月間一緒に走ってきましたが、過去に受講されていたオンライン英会話と比べて何か違いは感じられましたか。

プロフェッショナルから教えていただいている感覚があり、明確に違いを感じました。また、同じコーチとずっとレッスンを続けていると、信頼関係が築けて、これまでのレッスンでの会話を踏まえ、自分のパーソナリティーに合ったアドバイスや、ディスカッションの進め方を工夫してくれます。

トライズを受講する前に受けたオンライン英会話レッスンは、あまり合わずに結局やめてしまったのですが、トライズでの専属コーチとのレッスンは、気心が知れてくるとリラックスできて、とても楽しめました。6ヵ月間しっかり走りきれた大きな要素の一つだと感じます。

専属コーチなら自分の弱点やクセも分かってくれているので、間違いを恐れなくなってきますよね。 まさにそうですね。前に指摘されたところが直っていると、気づいて褒めてくれます。担当コーチの2人だけではなく、担当コンサルタントもプログレスチェックの中で非常に細かくフィードバックしてくださり、改善できると良いポイント、逆に前回と比較して良くなっているポイントなど客観的に教えてくださいました。単純に成長だけではなく、モチベーションの部分にも大きい影響があったと思います。

物おじせずに、色々な国の方と話せるように

6カ月のご受講修了時にはVERSANTスコア60点に到達されましたが、受講前と比べて英語力が上がったという手応えはありますか。

それは明確な実感としてあります。すごく成長したというか、なりたかった姿に近づけたと感じています。まず分かりやすいところとしてスコアですね。VERSANTに加えて、受講修了後にTOEICも受けたのですが、初めて900点を超えました。



受講中にも、国際的な仕事をさせてもらえる機会がありました。具体的に言うと、2022年7月頃、日本でE-1サッカー選手権を開催した際、集まった東アジア圏の各国協会会長の皆さんとのレセプションイベントや試合会場へのアテンドがあったのですが、私もサポートメンバーとして参加させてもらいました。いろいろな国の方と物おじせず話せたのは、トライズを受講していたからですし、そもそも受講していなければサポートメンバーに行けていたかも分かりません。

当初の目的である「業務で使える英語力」という観点でいうと、実績として1つ詰めたかなという成長を感じました。

それから、よくBBCのラジオを聞いているのですが、意味が分かるようになってきたとしみじみ感じる瞬間があります。海外サッカーの実況はスラングが多いのですが、何を言っているか分かるという手応えも感じます。受講前後で比較すると明確に成長したなと感じます。それは、ひとえに皆さまのお力添えのおかげです。

ここから半年先、1年先の目標はありますか。

そのスパンで言うと、すごく具体的な話になってしまうのですが、他の言語を習得できればと思っています。JFAの須原専務理事が登壇したセミナーで、「スポーツ業界で国際的に働きたいのであれば、まず英語は前提だ。それができるからといって何も偉くはなく、もう1言語だ」というお話を聞いて、なるほどと思い、挨拶や基礎文法レベルからですがスペイン語を勉強し始めました。ですから、もしトライズでスペイン語のプログラムができたら受講させていただきます。（笑）

ありがとうございます！学習メソッド、やるべきインプット・アウトプットの方法は言語にかかわらず共通している部分が多いかと思います。

言語学習に限らず、あらゆるスキル習得に共通する方法論なのかなと思っています。今回、成果として出たのは英語力ですが、指定の期間や目標に対してどう積み重ね実現するという方法は、かなり応用が利くはずです。個人的には、そこが本質的に得られた部分なのかなと思っていますが、自分一人ではなかなかうまくいかないので、トライズで受講できた意義は大きいです。

英語を通じてなりたい姿があれば挑戦すべき

トライズはどのような方にお勧めできるでしょうか。

英語に興味のある方全てです。目標が具体的であればあるほど、頑張るモチベーションになるのではないかと思います。その人自身の英語力は問わず、現在地と目標に合わせたカリキュラムを組んでくださるので、学習を経てどうなっていたいかという目標が具体的であればあるほど、同じ期間でも濃さが変わってくるのかなという気がします。

それから、自分一人ではやりきれない人にもお勧めです。鋼の精神を持っている人であれば別ですが、恐らく全人類のうちの0.02％ほどしかいないのではないでしょうか。（笑）ですから、ほとんど全ての人にお勧めですね。英語の下地や自分の現在地を考えて二の足を踏むのは、もったいないなと思ってしまいます。それらはさておき、この先どうなりたいという理想があるのであれば、一回チャレンジしてみるといいのかなと思います。

最後に田村様からメッセージはございますか。

今回トライズでの学習に関わってくださったコーチ、コンサルタントの3人に感謝の気持ちでいっぱいです。特にコンサルタントの赤松さんには精神的にも支えていただきました。すごく丁寧に接してくださいましたし、スコアが落ち込んだ時も励ましてくださり、頑張ろうと思えるモチベーションをつくってくださったので、本当に感謝しかありません。自分を支えてくれる方々と一緒に学習できるのも、トライズならではだと思います。