英語の仮定法とは?4つのタイプを例文付きで簡単解説【コツは日本語で考えること】
- 仮定法って、説明を聞いても本当にわかりづらい
- 試験対策で丸暗記したけど、実際の会話で使える気がしない
- もっとピンとくる解説ないかな?
「仮定法」は、英文法の中でも理解しにくい分野です。 完全には理解しきれないまま、放置してしまっている方も多いのではないでしょうか。
構文を見ると難しく感じるのですが、実際のシチュエーションからイメージを膨らますことで頭に入りやすくなります。今までと少し違ったアプローチで「仮定法」について学んでみましょう。
目次
英語の仮定法とは?
英文法での「仮定法」とは、簡単に言うと実際には「現実ではないこと」を表現する方法です。「現実ではないこと」を、現在の時点からだったり、過去の時点からだったり、いろんな時間軸で表現する方法です。
なぜ「仮定法」が多くの人にとって難しいかというと、いろんな時制が出てくるからではないでしょうか。
仮定法では多くの場合、一文の中で時制が一致しません。なぜなら現在あなたがいる時点から「ありえないこと」を回想するからです。現実では起こっていないことを表現するために時間軸をずらして表現している、と言い換えることもできます。
まずどんな種類の仮定法があるか見ていきましょう。
- 仮定法過去
- 仮定法過去完了
- 仮定法未来
- 仮定法現在
基本の形や構文から入るとイメージしにくいので、ここではまず、使う場面から考えていきたいと思います。
関連記事:【例文あり】英語の現在完了形はどう使う?過去形との違いや4つの用法を解説
まずは日本語で仮定法のシチュエーションを見てみよう
私たちも日常生活の中で日本語で「仮定法」を使うような場面に遭遇しています。日本語だったらすぐ理解できますので、どのような場面で使うのかを見てみましょう。
仮定法過去
例えば、デパートのショーウィンドウで素敵な靴を発見したとします。あなたは「欲しいなぁ」と感じますが、あいにく自由になるお金がありません。
英:If I had money, I would buy these shoes.
和:お金があったら、この靴を買うのだけど。
これが「仮定法過去」です。靴を買うことは現時点で「現実ではないこと」なので、過去形を使って表します。
仮定法「過去」と書いてあるので混乱しがちですが、現在時点からの「現実ではないこと」を考えるために便宜上「過去形」を使うというのが仮定法の発想です。
仮定法過去 基本の形
If 主語+動詞の過去形~,主語+助動詞の過去形+動詞原形~
仮定法過去完了
仮定法過去完了は、「実際には現実ではなかった」という過去のできごとを過去完了で表します。
例えば、あなたが開発した商品を、営業が顧客の会社で紹介したとします。
結局、プレゼンはうまくいかなかったようで、営業チームが「開発者がいればもっとうまく説明できたのに」と感想を持った場合、下記のようになります。
英:If you had attended the meeting, they would have taken your plan more seriously.
和:もしあなたがその会議に出ていたら、彼らはあなたのプランをもっと真剣に検討してくれていたのに。
実際は会議には出なかった、過去に戻って会議に出ることはできないので「ありえないこと」を回想していることになります。
「なぜ完了形なのだろう」と感じますよね。これは過去の出来事であり、その上「ありえないこと」です。ただの過去形では表現できないので、「仮想の過去」を表すために便宜上完了形にしている、というイメージです。
仮定法過去完了 基本の形
If 主語+ had+過去分詞~, 主語+ 助動詞の過去形+have 過去分詞~
実際にはそうじゃなかった、という表現なので、おのずと後悔の気持ちを表すことが多くなりがちです。
仮定法未来
「未来のことを仮定するってどういうこと?」と思われる方もいるかもしれません。
未来自体がまだ確定していないことなので、すべて「仮定」にはなりますが、
普通の「未来形」と「仮定法未来」は、ものごとが起こる確率によって使い分けます。
「明日のランチ行く?」と聞かれ、「忙しくなければ行く」と答えたい場合、
2通りの答え方があります。
- If I am not busy tomorrow, I will come.(未来形)
- If I should not busy tomorrow, I would come.(仮定法未来)
「未来形」のほうが行ける確率は高くなります。明日は忙しくない可能性が高いです。
一方、仮定法は「現実ではないこと」を表現する方法でしたね。ですので「仮定法未来」は未来のことですが、ほぼありえないことを表現することになります。
ニュアンス的には「万が一明日忙しくなければ、行きます」となります。たぶん行けない、という感じですね。
仮定法未来 基本の形
If 主語+should+動詞の原形~, 主語+助動詞の過去形+動詞の原形~
ちなみに、shouldの代わりに「were to」という表現をすることもあります。この場合は実現する可能性がshouldよりさらに低くなり、「ほぼ実現しない」というニュアンスになります。
仮定法現在
「現在時点」から「ありえない」を表すのは「仮定法過去」でした。
ここで「仮定法現在」というものが出てきました。「仮定法過去」とどう違うの?と思った方もいらっしゃいますよね。
「仮定法現在」は話者が今現在「こうあるべき」(今は違う)と思っていることを表す方法です。
例のシチュエーションを見てみましょう。
資格試験を控えている太郎さん。でもなかなか勉強に気乗りがしない。やらなきゃと思ってはいるけど外へ出歩いてしまう。だんだんと試験日が近づいています。
そんな太郎さんの様子をお母さんが見て、こう言いました。
少し勉強したら?一日中家にいるべきよ。
これが「仮定法現在」です。現在時点で、太郎さんは一日家にいることがありませんが、「家にいなさい」と言われています。
英:Taro’s mother suggested to Taro that he stay home all day.
和:太郎のお母さんは太郎に、一日中家にいたほうがいいと言いました。
注意点は、he stay home all day. の部分です。heのあとのstayにはsがつかず、原形になっていますね。仮定法現在はこのように「動詞の原形」を使います。この点で、命令形の使い方とよく似ています。意味も「家にいなさい」なので命令形に近いですよね。
このように、話者から相手に対して、提案や命令をするときに使うのが「仮定法現在」と言えます。
そのため、I suggest~(してはどうかと言う)や、I demand~(~しろと要求する)など、相手に対して「要求をする」単語がthat節の前に来ることがほとんどです。
仮定法現在 基本の形
主語 + 動詞(要求や提案)+ that + 主語 + 動詞の原形~
that 節後の動詞は原形であることがポイントです。時制は一致していなくても良いです。
また、原形動詞の前にshouldが用いられることもありますが、これはイギリス英語の場合です。
関連記事:【社会人必見】短期間で英文法をマスターする勉強法とコツを徹底解説
英語の仮定法でよく使われる慣用表現
I wish
~だったらなぁという意味です。仮定法と相性が良いため、よく一緒に使われます。
I wish I were a bird.(鳥だったらなぁ)
It’s time that
It’s time that +仮定法過去 で、~そろそろ~する時間でしょ。 という意味です。
It’s time that you went to bed.(そろそろ寝る時間よ)
実際はまだ寝てないけど本来はベッドに行く時間よね、というニュアンスです。
as if
まるで~であるかのように という意味です。
as if +仮定法過去 or仮定法過去完了
He is playing by the shore as if he was a little boy.(彼は海岸でまるでこどものように遊んでいる)
She behaved as if Taro had not been there.(彼女は、まるで太郎がそこにいないかのようにふるまった)
if only
~さえすればいいのに という意味です。I wishと似ていますが、ニュアンス的にif onlyのほうが強い願望を表します。
if only +仮定法過去 or仮定法過去完了
If only I could speak Spanish!(スペイン語が話せさえすればなぁ)
まとめ
今回は仮定法について、日本語のシチュエーションからイメージしやすく解説しました。
仮定法は英語でsubjunctive moodと言い「気持ちを仮定する」という意味があります。「現実には起こっていない願望や気持ち」を表現するために存在する英文法です。
「現実の話ではない」ということを聞き手に伝えるために時制を変えている、ということを覚えておきましょう。
仮定法は、構文だけ見ていると混乱しがちです。そのため、一通り学んだら映画などでできるだけ実際のシチュエーションに触れながら、どのように使っているのかをチェックしてみるのもおすすめです。難しく考えずに、仮定法に出会ったらその都度意味を味わうようにしてみましょう。
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それはテレビでは放送されていないのですが、映像だけでは入ってこない情報が耳から入ってくるので、それを聞きながらしゃべっています。 現地のリポーターや解説者は一番リアルな情報なので、それが耳に入ってくることによって、例えば解説でも「今、現地ではこういうことを言っていますね」ということが、スッと言えるようになりました。