日本と英語圏のジェスチャーの違いは?違いを知ってより円滑な英語コミュニケーションを
青山学院大学文学部英米文学科卒業。米国メリーランド大学グローバルキャンパス在学中。青山学院大学在学中は、ロシアのモスクワ大学に短期留学経験もあり。
大手塾にて10年以上英語講師を務め、大学受験指導を担当。好きな海外ドラマは、SUITS。
コミュニケーションに必要なものは、言葉だけではありません。語学が堪能な人もそうでない人も、ジェスチャーを交えながら会話をすることは多々ありますね。言いたいことを言葉でうまく伝えられない場合に役立つジェスチャーですが、同じジェスチャーでもところ変われば意味が変わるものもありますし、日本文化の中にはないジェスチャーもあります。
そこで今回は、日本と英語圏のジェスチャーの違いや、日本にはないジェスチャーについて紹介します。日常会話の場面でもビジネスの場面でも、違いを知っておくことで失敗のないようにかまえておきましょう。
目次
“Come on”か “Bye”か
日本でよく使われているジェスチャーの一つに、「おいで、おいで」と手招きする仕草があります。少し離れたところにいる人にこちら側まで来てほしいときに、手の甲を上向きにしながら指の関節を動かしますよね。実はこれは、英語圏では逆の意味になってしまいます。
もし英語圏出身の相手にこのジェスチャーをしたら、その人は去っていってしまうでしょう。“Come on”を意味したつもりが、「あっちへ行け」の意味として伝わってしまうのです。結果として、相手とその場で“Bye”してしまうことになります。
では、英語圏で“Come on”に相当するジェスチャーは何でしょうか? 日本のそれとは逆の手の動きをすれば良いのです。手の甲は下向き、手のひらを上向きにして指を動かします。そうすることで、「こちらへおいで」の意味として伝わります。意識しないと間違いやすいので、知らなかった人はよく意識して使うようにしましょう。
ピースサインは誤解を招く?
日本では写真撮影の際に頻繁に使われるピースサイン。或いは、victory(勝利)を意味するVサインとも呼ばれます。実はこのジェスチャーもところ変われば意味が変わり、大きな誤解を招く可能性があります。その言葉通り、日本でもアメリカでも「平和」や「勝利」を意味するジェスチャーです。
しかし、他国では、先ほどの「おいで」のジェスチャーと同様に手の甲の向きで意味が変わってきます。例えばイギリスでは、手の甲を相手側に向けたピースサインは、相手を侮辱するジェスチャーとして受け止められます。
イギリス文化の影響を受けているオーストラリアやニュージーランドでも同様です。アメリカや、地理的に近くアメリカ文化の影響が及んでいるカナダでもピースサインは特に問題にはなりませんが、同じ英語圏でも今述べたような国では、手の向き次第では全く意味が異なります。
日本ではピースサインは写真撮影の定番ポーズですから、無意識でやってしまうことがあると思います。誤解を招きトラブルに発展しないためにも、注意が必要です。
「いいえ」のつもりが「臭う」の意味に?
日本において、「いいえ、結構です」と断るときなど“NO”の意味を表してよく使われるのは、顔の前で手を左右に振るジェスチャーですね。実はこれも、英語圏では全く違う意味になります。アメリカなどでは「臭う、臭い」という意味として行われるジェスチャーのため、知らずにこれを使ってしまうとコミュニケーションが成立せず、場面によっては大きな誤解を招くこととなります。
特に食べ物が出された場面で、遠慮して“No, thank you.”のつもりだったのに、このジェスチャーをやってしまい「食べ物が臭う、臭い」との意味として伝わってしまったという失敗談も聞きます。ここまでで紹介した3つは、日本と英語圏とで意味が大きく異なるジェスチャーですから、まずは知識として知っておきましょう。
「幸運を祈る」ジェスチャー
アメリカでは、“Keep your finger crossed.”というフレーズとともに、中指と人差し指をクロスさせるジェスチャーをします。このフレーズは「幸運を祈っているよ」という意味で、相手が何か取り組んでいることに対して良い結果になるよう祈りを込めた表現として使われます。
Keep+O+Cの構文で「OをCの状態にする」の意味になりますから、直訳すると「指をクロスさせたままにする」となります。指をクロスさせて実際にジェスチャーを交えながら言うこともあれば、言葉だけを言うこともあります。こうしたフレーズもジェスチャーも日本にはない表現ですから、ぜひ覚えておきたいですね。
「引用」を表すジェスチャー
上で紹介した「幸運を祈る」ジェスチャーと同様に、日本では見慣れないジェスチャーと言えば、air quotationと呼ばれるジェスチャーです。両手の人差し指と中指でピースサインのような形を作ったところから指の関節を曲げて「クイッ、クイッ」という動きをします。筆者は学生の頃、アメリカ人の先生が授業で時折このジェスチャーをするのを見て疑問に思っていました。
元々ユニークな性格の先生でしたから、何か面白い行動をして見せているのかなとさえ感じてしまいましたが、実はこれは、「引用」を表すジェスチャーなのです。英文で使われるカギ括弧「“ ”」、いわゆるquotationと言われるものを指で表現しています。
本、映画、ドラマ、知人が言ったことなどを会話の中で引用したいときに使われます。アメリカドラマや映画を見ていると、本や映画の台詞が引用される知的な会話をよく耳にします。そうした場面で、このジェスチャーが使われていることがあるので、ジェスチャーにも目を向けて見てみると面白いですよ。
ハイタッチはhigh five
ネイティブとの交流の中で、スポーツなど何かうまくいったときに、ハイタッチのような仕草をしながら“High five!”と言われた経験はありませんか?
筆者はこうした場面によく遭遇します。例えば、レクリエーションでスポーツや何らかのゲームをしたときにhigh fiveを求められることがありますが、自分のチームに得点が入ったり勝利をしたりしたときに“high five”をします。日本のハイタッチ文化ととてもよく似ていると思います。
“Yeah!”と言いながらhigh fiveを求められたら、ハイタッチと同じようにhigh fiveを返しましょう。より交流が深まりますよ。
Thumbs up
最後に紹介するのは、“Good”を意味する“Thumbs up”。日本ではFACEBOOKなどSNSの「いいね」で浸透したと思いますが、FACEBOOKの「いいねボタン」のように親指を立てるジェスチャーです。「OK!」というニュアンスでも使われます。日本でもこのジェスチャーは使われますが、英語圏でも同様に使われます。一般的には片手で行いますが、両手で行う場合もあります。この場合は、「もの凄くいいね」という意味を表します。
また、親指の向きを下にする“Thumbs down”は真逆の意味となり、「反対」の意思を示します。FACEBOOKで「残念」や「良くないね」のボタンとしてもお馴染みのジェスチャーです。ブーイングの場面などでもこのジェスチャーを見かけますね。
まとめ
英語圏と日本のジェスチャーの違いと、日本ではあまり使われることのないジェスチャーについて紹介しました。ジェスチャーは言葉そのものと同じくらい、コミュニケーションにおいて重要な役割を果たします。
ジェスチャーの意味が分かればコミュニケーションもより円滑になりますし、ネイティブの方々との交流も深まります。日本と意味が異なるものについては注意して覚えておき、誤解を招かないよう気をつけましょう。
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プロキャディ杉澤伸章さん
インタビュー
Versant 29 → 40
目標:海外選手に英語でインタビューする。達 成
英語に関しては、1年前の僕と今の僕を比較すると、めちゃくちゃ成長しました。僕にとって情報源がものすごく増えたんです。 ゴルフ専門チャンネルで解説をしているのですが、そのときに現地の音声や解説者の声など英語でしゃべってくる音声が全て聞こえてきます。
それはテレビでは放送されていないのですが、映像だけでは入ってこない情報が耳から入ってくるので、それを聞きながらしゃべっています。 現地のリポーターや解説者は一番リアルな情報なので、それが耳に入ってくることによって、例えば解説でも「今、現地ではこういうことを言っていますね」ということが、スッと言えるようになりました。