エビングハウスの忘却曲線とは?学習(英語など)に活かす方法をわかりやすく解説
効率的な勉強方法について調べているうちに「エビングハウスの忘却曲線」という言葉にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
エビングハウスの忘却曲線をうまく利用すれば、効率的に暗記ができ、短い学習時間でより多くのことを覚えられるようになります。
例えば英語学習では、数千といった英単語を覚えなければなりません。そして単語学習以外にもやるべきことはたくさんあるので、できるだけ時間をかけずに単語の暗記は終わらせたいですよね。
そこで今回は、エビングハウスの忘却曲線の概要や、英語などの学習に活かす方法について解説します。
記事を最後までチェックすれば、これまでなんとなくで行っていた暗記を、どういう手順で行えばいいのかがはっきりします。
- 「暗記したつもりが気づいたら忘れてしまっている」
- 「仕事や学校で時間が取れないので、とにかく効率を追求したい」
上記のように考えている方は、ぜひ記事を最後までチェックしてみてください。
目次
エビングハウスの忘却曲線とは?
エビングハウスの忘却曲線とは、一度覚えた単語を再度覚える際、一度目と比べてどのくらい時間を節約できるかを表したグラフのことです。
エビングハウスの忘却曲線は、1885年にドイツの心理学者エビングハウスによって提唱されました。
上記グラフの縦軸は節約率を、横軸は経過した時間を表しています。
例えば10分で覚えられた単語を20分後には4分で覚え直すことができたと仮定します。この場合6分節約できたことになるため、節約率は60%です。
20分後の節約率は60%でしたが、時間が経つごとに節約率は下がって行き、覚え直すのにより長い時間を必要とするようになります。
経過した時間ごとの節約率は以下の通りです。
- 20分後には、節約率が58%であった。
- 1時間後には、節約率が44%であった。
- 約9時間後には、節約率は35%であった。
- 1日後には、節約率が34%であった。
- 2日後には、節約率が27%であった。
- 6日後には、節約率が25%であった。
- 1ヶ月後には、節約率が21%であった。
つまり一度10分かけて覚えた単語を1か月後に再度覚え直す場合は、8分かかるということです。
エビングハウスの忘却曲線に基づく適切な復習のタイミング
前述の通り、エビングハウスの忘却曲線によると、時間の経過と共に覚えなおしにかかる時間が長くなることがわかっています。
しかし以下のようなタイミングで復習をすることにより、時間による節約率の低下を防ぎ、単語が長期記憶として定着するとされています。
(出典:https://uwaterloo.ca/campus-wellness/curve-forgetting)
- 1日後に10分間復習する
- 1週間後に5分間復習する
- 1ヶ月後に2-4分間復習する
ちなみに上記のグラフは「1時間の講義」に対する節約率を描いたグラフです。「単語を10 個覚えた場合」など、人それぞれ復習に必要な時間は変わってきます。
よって「10分」「5分」「2〜4分」といった復習の時間はそれほどあてになりません。しかし「1日後、1週間後、1ヶ月後に復習をすると良い」ということは上記のグラフから読み取れます。
エビングハウスの忘却曲線に関するよくある勘違い
実はエビングハウスの忘却曲線には、本来の意味とは間違って伝わっていることが2つあります。
- 意味のある単語ではなく無意味な音節を使って行われた研究である
- グラフの縦軸は覚えている量ではなく節約率を表している
それぞれ詳しく解説します。
意味のある単語ではなく無意味な音節を使って行われた研究である
エビングハウスの忘却曲線は、「rit, pek, tas」のような全く意味のない音節を使って行われた研究です。「bed,apple,desk」のような意味のある単語を使って行われた研究ではありません。
意味のない音節と意味のある単語を比べると、意味のある単語の方が覚えやすいです。なぜなら意味と関連付けて覚えられるからです。
エビングハウスの忘却曲線のグラフは「意味のない音節」の節約率を示したものなので、英語学習などで「意味のある単語」の暗記を行う際は、節約率はもう少し高くなることが推測されます。
グラフの縦軸は覚えている量ではなく節約率を表している
本記事ではグラフの縦軸を表す言葉として「節約率」という言葉を何度も使っています。
しかしグラフの縦軸は「節約率」ではなく「覚えている量」を表すと思っていた方も多いのではないでしょうか。
例えば「英単語を100単語覚えた場合、20分後には40単語忘れて60単語になってしまう」といった形です。実際に多くのWebサイトでは、縦軸を「覚えている量」として解説されています。
しかし実はそれは間違いで、正しくは「縦軸は節約率」です。つまりエビングハウスの忘却曲線は、「◯時間経った後にどれくらい覚えているか」ではなく「◯時間経った後再び覚え直しをする場合、1度目の時間と比べてどのくらいの時間がかかるか」を表したグラフなのです。
エビングハウスの忘却曲線を学習(英語など)に活かす方法
エビングハウスの忘却曲線に関する正しい知識が得られたところで、それをどのように英語学習に活かせば良いのかを解説します。(今回は英語学習を例に解説しますが、英語以外の学習にも応用できます)
エビングハウスの忘却曲線を英語学習に活かす方法は以下の3つです。
- 単語などの暗記系で活用する
- アプリを使って復習タイミングをリマインドする
- 英語コーチに復習タイミングを管理してもらう
それぞれ詳しく解説します。
単語などの暗記系で活用する
エビングハウスの忘却曲線は、暗記単元との相性が良いです。英語学習における暗記単元とは「単語」です。
よって英単語の学習に、エビングハウスの忘却曲線を取り入れましょう。
一方で長文読解やリスニングのような単元は、エビングハウスの忘却曲線との相性が悪いです。
関連記事:ラーニングピラミッドとは?概要や英語学習への活用法を紹介
アプリを使って復習タイミングをリマインドする
節約率を上げるには、以下のタイミングでの復習が最適だとお伝えしました。
- 1日後
- 1週間後
- 1ヶ月後
しかし英単語以外にも学習することがある中で、上記のタイミングを覚えておき、適切なタイミングで復習を行うのは難しいですよね。
そこでおすすめなのがアプリです。
例えば「勉強分析 忘却曲線が見れる復習管理アプリ」を使えば、適切な復習タイミングを通知してくれます。いつ復習をすればいいのかを、自分で逐一管理しておく必要がありません。
英語コーチに復習タイミングを管理してもらう
エビングハウスの忘却曲線を活用すれば、単語学習を効率的に行えます。
しかし実際には適切な復習タイミングや復習に費やす時間は学習内容等によってわずかに異なります。
そんな中、適切な復習タイミングを管理したり、それ以外の英語学習に関するサポートを受けるためにおすすめなのが、英語コーチングです。
英語コーチングとは、自宅学習のサポートを日本人の英語コーチから受けられるサービスです。詳しくは以下の記事をご覧ください。
まとめ
エビングハウスの忘却曲線の概要や、英語などの学習に活かす方法について解説しました。
エビングハウスの忘却曲線に関することが、一通りお分かりいただけたのではないでしょうか。
間違って認識されることの多いエビングハウスの忘却曲線ですが、本記事を参考に正しく理解していただけますと幸いです。
早速エビングハウスの忘却曲線を、英語やそれ以外のことの学習に活かしてみましょう。
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トライズでの1年は、
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プロキャディ杉澤伸章さん
インタビュー
Versant 29 → 40
目標:海外選手に英語でインタビューする。達 成
英語に関しては、1年前の僕と今の僕を比較すると、めちゃくちゃ成長しました。僕にとって情報源がものすごく増えたんです。 ゴルフ専門チャンネルで解説をしているのですが、そのときに現地の音声や解説者の声など英語でしゃべってくる音声が全て聞こえてきます。
それはテレビでは放送されていないのですが、映像だけでは入ってこない情報が耳から入ってくるので、それを聞きながらしゃべっています。 現地のリポーターや解説者は一番リアルな情報なので、それが耳に入ってくることによって、例えば解説でも「今、現地ではこういうことを言っていますね」ということが、スッと言えるようになりました。