英語の「シュワ」サウンドとは?“曖昧母音”を徹底解説します
しかし、英会話の時に聞き取りや伝わりやすさに大きな影響を与えるのが発音です。
特にネイティブスピーカーのような自然な発音を身につけるうえで欠かせないのが、「シュワ(schwa)」サウンドと呼ばれる音。
「シュワ(schwa)」サウンドが身に着けば、一気に英語らしい発音に近づきます。
この記事では、英語の「シュワ」サウンドとは何か、なぜ重要なのか、そして具体的な練習方法までをわかりやすく解説します。
目次
シュワサウンドとは?英語で最も使われる“曖昧母音”
「シュワ(schwa)」サウンドは、英語で最も多く使われる母音のひとつです。発音記号では [ə] と表されます。
「シュワ(schwa)」サウンドは日本語には存在しない音なので、「あ」「い」「う」などの日本語のようにハッキリと発音する母音ではなく、曖昧で弱く、短く発音されるのが特徴です。
たとえば、単語「about(アバウト)」の最初の「a」は [ə] の音で発音され、/əˈbaʊt/ のように記されます。
この最初の「a」は日本語の「あ」ではなく、「口の力を抜いて曖昧に発する弱い音」というわけですね。
なぜ“シュワ”サウンドが大事なのか?ネイティブ発音とのギャップを埋めるカギ
英語圏のネイティブスピーカーは、話すときに「すべての音を明確に発音する」わけではありません。
むしろ、文中の強調したい語や音以外はできる限り脱力して話す傾向にあります。つまり、「発音を省エネ」するわけですね。
そこで多く使われるのが、この「シュワ」サウンドです。
もし全ての母音を、日本語のように強く、明瞭に発音しようとすると、不自然で「ロボットのような発音」になってしまいます。
これが、いわゆる“カタカナ英語”がネイティブに伝わりづらい理由の一つです。
例えば、「banana(バナナ)」という単語。
カタカナでは「バナナ」と3音節すべてが強く発音されているように見えますが、実際の英語では /bəˈnænə/ (バナーナ)のように、最初(バの母音)と最後の母音(ナの母音)はシュワサウンドで曖昧に発音されます。
つまり、シュワサウンドを理解し、使いこなすことが「聞き取れる」「通じる」「自然に話せる」の三拍子を支えるカギだというわけですね。
よく出てくる!シュワサウンドの使われ方5パターン【やさしく解説】
シュワサウンドがよく使われる5つのパターンを見ていきましょう。
1. 単語の中で“目立たないところ”に出てくる
英語の単語には「強く読む部分(アクセント)」と「弱く読む部分」があります。
この“弱く読むところ”に、よくシュワサウンドが使われるんです。
例:
- about → 「アバウト」じゃなくて「ァバウト」みたいに最初が弱くなる(/əˈbaʊt/)
- support → 「スポート」じゃなくて「サポート」に近い感じ(/səˈpɔːrt/)
2. 単語の“前につく短い音”や“語尾の部分”によく出る
英語には「pre-」「re-」などの前につく音(接頭語)や、「-tion」「-ity」などの語尾の部分(接尾語)があります。
これらの部分は弱く読まれるので、よくシュワサウンドになります。
例:
- agree → 最初の「ア」が弱くてシュワ(/əˈɡriː/)
- ability → 最初の「ア」も、途中の「i」も弱くてシュワサウンド(/əˈbɪləti/)
3. 「a」「to」「the」などの短い単語が弱くなる
文章の中でよく出てくる短い単語(前置詞や冠詞)は、強く発音されません。
だから、シュワサウンドでさらっと読まれることが多いです。
例:
- a dog → 「ア ドッグ」じゃなくて「ァドッグ」(/ə dɔːɡ/)
- to go → 「トゥー ゴー」じゃなくて「トゥゴー」(/tə ɡoʊ/)
4. 会話の中で言葉がつながって“音が変わる”とき
英語では、会話で単語と単語がくっついて、音が変わることがあります。
そのときにシュワサウンドになることも多いです。
例:
- What are you doing?
→ 「ワット アー ユー ドゥーイング」じゃなくて
→ 「ワラユードゥイン?」のような音(/wʌt ər jə ˈduːɪŋ/)
5. 日常会話では“音が短くなる”ことがよくある
英語では、話すスピードを上げたり、自然に話すために、一部の音が省略されたり、弱くなったりします。
そのときにシュワサウンドが使われることが多いです。
例:
- family → 本来は「ファミリー」だけど、「ファムリ」に近い感じ(/ˈfæmli/)
シュワサウンドを身につけるメリット3選
シュワサウンドが身に着けば、英語を身に着ける上で以下のメリットが得られます。
1. リスニング力が向上する
ネイティブの発音にはシュワサウンドが多く含まれているため、シュワサウンドに慣れることで聞き取り能力が飛躍的に向上します。
特にTOEICや英検のリスニングではその効果を実感できるでしょう。
関連記事:リスニングで理解が追いつかない理由4つと対策法5つを解説
2. 通じやすさがアップする
すべての音を強く言うと、逆に伝わりにくくなってしまいます。
シュワサウンドを使って「強弱のバランス」を整えることで、相手にとって聞きやすい発音になります。
3. ネイティブらしい“英語っぽさ”が手に入る
シュワサウンドを使いこなせるようになると、「どこか日本人っぽさが抜けない英語」から卒業できます。
自然な英語のリズムと音の流れを身につけることができるわけですね。
今すぐできる!シュワサウンドの練習法
シュワサウンドを身に着けるために特別な環境は必要ありません。
以下の練習法でしっかりと身に着けることができます。
シャドーイング(脱力を意識して)
ネイティブの音声に重ねて発音するシャドーイング練習は、シュワサウンドの感覚をつかむのに最適です。
ニュースやTEDなど、比較的明瞭な音声素材を使い、口や舌、喉の「力を抜く」ことを意識しましょう。
ネイティブの発音を真似するので、「いつの間にか出来ていた!」となることも多いですよ。
シャドーイング学習におすすめなのがAI英語学習アプリ TORAbitです。
音声変化について細かく分析しながらシャドーイングを練習できるため、シュワサウンドの使い方を理解するのに有効です。
関連記事:TORAbit(トラビット)とは?アプリの特徴や使い方、使用してみた感想や他アプリとの比較を紹介
音声変化に特化した教材を選ぶ
「英語耳」や「発音マスター」など、音の変化を丁寧に解説している教材は、シュワサウンドの位置や使い方を理解するのに有効です。
自分の発音を録音してチェックする
実際に自分の声を録音し、「すべての母音を強く発音していないか?」「脱力できているか?」を確認しましょう。
意外と気づかないクセに気づくことができます。
まとめ
英語の発音には「正しく発音する」だけでなく、「自然に脱力して話す」スキルが必要です。そして、その根っこを支えるのがシュワサウンド。
地味な存在かもしれませんが、リスニングにもスピーキングにも直結する非常に重要な要素です。
ネイティブのような自然な発音を目指したいなら、まずはこの“力を抜いた曖昧な音”=シュワサウンドの存在を理解することから始めてみましょう。
きっと、あなたの英語は一段階上のレベルへと進化するはずです。
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受講生のインタビューもご紹介します。


トライズでの1年は、
一生につながる1年だったと思います。
プロキャディ杉澤伸章さん
インタビュー
Versant 29 → 40
目標:海外選手に英語でインタビューする。達 成
英語に関しては、1年前の僕と今の僕を比較すると、めちゃくちゃ成長しました。僕にとって情報源がものすごく増えたんです。 ゴルフ専門チャンネルで解説をしているのですが、そのときに現地の音声や解説者の声など英語でしゃべってくる音声が全て聞こえてきます。
それはテレビでは放送されていないのですが、映像だけでは入ってこない情報が耳から入ってくるので、それを聞きながらしゃべっています。 現地のリポーターや解説者は一番リアルな情報なので、それが耳に入ってくることによって、例えば解説でも「今、現地ではこういうことを言っていますね」ということが、スッと言えるようになりました。