【音声変化シリーズ】Hの音が消える?「Hの脱落」のルールを徹底解説


“Tell him”が「テリム」、“What did he do?”が「ワディディドゥー?」のように聞こえて、聞き取れなかった経験はありませんか?
これは、ネイティブスピーカーが日常会話で多用する「Hの脱落」という音声変化が原因です。
この記事では、Hの音が消えるルールと実践方法を分かりやすく解説します。
目次
Hの脱落とは? ネイティブが多用する省エネ発音


まずは、Hの脱落がどのような現象なのか、基本から理解していきましょう。
Hの脱落の基本
Hの脱落とは、特定の単語の語頭にあるHの音[h]が発音されなくなる現象です。
この現象は、特に、he, him, his, her や have, has, had といった、文中での意味的な重要度が低い機能語で頻繁に起こります。
機能語とは、文法的な役割を担う単語のことで、それ自体に強い意味はありません。
ネイティブスピーカーは、会話の中で重要でない単語のHの音を発音しないことで、口の動きを少なくし、より速く、より滑らかに話しています。
Hの脱落は、ネイティブの自然なスピード感を生み出す、非常に重要な「省エネ発音テクニック」なのです。
Hの脱落が起こる主な条件
Hの脱落は、いつでも起こるわけではありません。最も重要なルールは、その単語が文中で強調されない(ストレスが置かれない)場合に起こる、という点です。
例えば、“He is my friend.” のように、He が文の先頭に来る場合、通常はHの音をしっかりと発音します。
しかし、“I think he is my friend.” のように、he が文中にあり、特に強調する必要がない場合、Hの音が脱落して “I think ‘e is my friend.” のように発音されやすくなります。
このルールを理解するだけで、これまで聞き取れなかったネイティブの発音が、急にクリアに聞こえるようになることがあります。
動画で音の繋がり(リンキング)をマスターしよう


Hの脱落は、単にHの音が消えるだけでなく、その前後の音が繋がる「リンキング」とセットで起こることがほとんどです。
この音の繋がりを耳で覚えるには、動画で実際の音の変化を聞くのが一番です。
以下の動画は、Hの脱落の具体例を、非常に分かりやすく解説しています。
動画で解説されているように、Hが消えることで、直前の単語の最後の子音と、Hの次の母音が直接つながる点に注目してください。
例えば “tell him” なら、tell の l と im の i がくっついて「テリム」のように聞こえます。この音の連結こそが、リスニングを難しくする正体なのです。
例文でHの脱落を声に出して練習してみよう


ルールが分かったら、実際に声に出して練習しましょう。Hの音を意識的に抜いて、前後の単語を滑らかにつなげることを意識してください。
he, him, his, her の例
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tell him → tell ‘im [ˈtɛlɪm] (テリム)
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ask her → ask ‘er [ˈæskər] (アスカー)
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Is he busy? → Is ‘e busy? [ɪziː ˈbɪzi] (イジー・ビズィー?)
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What’s his name? → What’s ‘is name? [wʌtsɪz neɪm] (ワッツィズ・ネイム?)
have, has, had の例
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should have → should ‘ave [ʃʊdəv] (シュダヴ)
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must have → must ‘ave [mʌstəv] (マスタヴ)
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What has he done? → What’s ‘e done? [wʌtsi dʌn] (ワッツィ・ダン?)
まとめ


今回は、ネイティブの会話スピードの秘密である「Hの脱落」について解説しました。
この音声変化を理解することは、リスニングで英語の塊(チャンク)を正確に捉えるために不可欠です。
関連記事:【音声変化シリーズ】消えるTの音?Stop T (ストップT) のルールを徹底解説
しかし、独学では「どこでHを脱落させれば自然に聞こえるのか」「正しくリンキングできているか」といった点を、自分一人で客観的に判断するのは非常に難しいものです。
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トライズでの1年は、
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プロキャディ杉澤伸章さん
インタビュー
Versant 29 → 40
目標:海外選手に英語でインタビューする。達 成
英語に関しては、1年前の僕と今の僕を比較すると、めちゃくちゃ成長しました。僕にとって情報源がものすごく増えたんです。 ゴルフ専門チャンネルで解説をしているのですが、そのときに現地の音声や解説者の声など英語でしゃべってくる音声が全て聞こえてきます。
それはテレビでは放送されていないのですが、映像だけでは入ってこない情報が耳から入ってくるので、それを聞きながらしゃべっています。 現地のリポーターや解説者は一番リアルな情報なので、それが耳に入ってくることによって、例えば解説でも「今、現地ではこういうことを言っていますね」ということが、スッと言えるようになりました。






















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