日本文化を英語で説明してみよう! 一人プレゼンのすすめ
青山学院大学文学部英米文学科卒業。米国メリーランド大学グローバルキャンパス在学中。青山学院大学在学中は、ロシアのモスクワ大学に短期留学経験もあり。
大手塾にて10年以上英語講師を務め、大学受験指導を担当。好きな海外ドラマは、SUITS。
最低限の英語の知識がある人からよく「どうしたらスピーキングが上達できるか」という相談を受けます。そのような場合にすすめているのが、「一人プレゼンテーション」です。何かテーマを決めて、それについて1分~5分くらいのプレゼンをします。
話したいことをすぐに英語に変換する力を身に着けられ、英語で伝えるためのボキャブラリーや表現力の幅が格段に広がります。日本文化を外国人に説明する機会は多かれ少なかれあるかと思いますので、国際交流やビジネスの観点からも日本文化を説明する訓練がおすすめです。
今回は、例えば意外と難しい「節分」を例に挙げながら、一人プレゼンのすすめについて紹介します。
一人プレゼンの方法
冒頭でも触れたように、「一人プレゼン」は、英語における表現力やボキャブラリーの増強と、スピーキング力向上に絶大な力を発揮します。ネイティブと会話する機会がない人でも、これをやることで、「あれ、こういうときは英語で何と言うのだろう?」と考えるきっかけになります。
最初は、その日の出来事など日記のようなテーマでもよいです。方法としては、説明したいことを書き出して文字に起こし、「これは何て言うのかな?」という疑問ができたら辞書等を使って調べます。単語レベルであれば和英辞典で十分です。
具体的な言い回しを調べたいときには、知りたい言い回しをキーワード検索してみると様々なサイトで質問に答えています。回答が一つではないという点でもオススメできます。例えば、現在であれば「緊急事態宣言」「外出自粛」といったコロナウィルス感染症関連のキーワードがたくさん質問されています。ちなみに、「緊急事態宣言」は “state of emergency”、「外出自粛」は“request to stay home”とか “request to not go outside”と言えます。こうした旬なキーワードも調べやすいのが特徴です。
重要な日本文化の一つ、「節分」は英語で・・・?
では早速本題です。季節を大切にする日本において、冬から春への季節の移り変わりを祝う行事「節分」を英語で説明できますか?「節分」は英語で、“bean-throwing festival”と言います。
花見や正月などは説明する機会は比較的多いかと思いますが、季節に関する行事の中でも「節分」は意外な盲点なのでピックアップしました。日本人でも実はその本質をよく分かっていない人が多いのではないでしょうか?
花見や正月と違い、その意味をよく理解しないままなんとなく行っている行事ほど説明が難しいものです。改めて日本文化について考える良いチャンスにもなりますので、日本文化を一人プレゼンしてみることは重要なのです。
「節分」をプレゼンするための項目の書き出し
一人プレゼンは、下記のような手順で行うことができます。
STEP 1 要点を日本語で書き出してみましょう
・日本の重要な伝統行事の一つ
・2月3日に行われる
・節分の意味とは?(節=季節、分=分ける)
・立春の前日である
STEP 2 これらを英語に置き換え、英語の要点メモを作りましょう。
・one of the most important traditional festivals in Japan
・celebrate on February 3rd
・setsu means season, bun means divide
・just one day before the first day of “risshun”
STEP 3 箇条書きした項目を文章にしてみましょう。
例えば下記のようにまとめることができます。
Setsubun is one of the most important traditional festivals in Japan. It’s celebrated on February 3rd and thought of as a seasonal event dividing winter and spring. The kanji setsu means “season” and bun means “divide”. That is to say this refers to just one day before the first day of spring, which is called “risshun” in Japanese.
実際にスピーキングの練習をするときには、聴衆がいるようなつもりで、TEDのような場面をイメージしながら話してみてください。STEP 2で作った英語の要点メモだけを見て行うのがベストです。STEP 3で作った英文は、要点メモを見れば自然と浮かんできます。
英文法は得意なのにスピーキングが苦手な人は、頭の中で完璧な英文を作ってから話そうとする傾向にないでしょうか。この訓練の目的は、英文を暗唱するのではなく、要点を踏まえて言いたいことをすぐに口に出せるようにすることなのです。
具体的行事内容の説明
STEP 3までで節分の概要についてまとめることができました。具体的にどのようなことが行われる行事なのかも説明してみたいと思います。
STEP 4 日本人は節分に何をするのか要点を日本語で書き出しましょう。
・鬼の仮面をつけた人に豆を投げる
・「鬼は外、福は内」と叫ぶ
・季節の変わり目は邪気を運ぶと信じられているので、それを追い払うために豆まきを行う
・恵方巻を食べる
・「恵方」(=その年の幸運の方角)を向きながら食べる
・恵方巻には7つの具材が入っていて、七福神を表している
・一気に食べなければいけないというしきたりがある
STEP 5 上記の要点を英語に変換してみましょう。
・throw beans to a person wearing a demon mask
・we say “oni wa soto, fuku wa uchi”, which means “demons out, good fortune in”
・Japanese people believe that the change of seasons brings us evil spirits so we do this to get rid of them
・eat ehomaki(a thick and giant sushi roll)
・eat it facing the lucky direction of the year
・ehomaki has 7 ingredients in it and that represent seven Gods of happiness
・there’s a manner that we have to eat it at once
STEP 6 要点を英文にまとめましょう。
筆者は下記のようにまとめてみました。
There’re two main things to be done on Setsubun festival day. First, we throw beans to a person wearing a demon mask, shouting “oni wa soto, fuku wa uchi.” This means “demons out, good fortune in.” Why do Japanese do this? In Japan, it is believed that the change of seasons brings us evil spirits. Oni, a demon is an imaginary creature that is said to do people harm. So, throwing beans to a person wearing a demon mask is done in order to get evil spirits out of the house. Second, we eat ehomaki. It is a thick and giant sushi roll that has seven ingredients in it. The ingredients are used to represent seven Gods of happiness. They are called “shichifukujin” in Japanese. When we eat ehomaki, there’s an interesting manner we have to follow. We face the lucky direction of the year while eating and we cannot remove it until we eat all of it. That might sound funny, but it is a right manner.
これもSTEP 3で説明したのと同様に、英語の要点だけを見てSTEP 6にまとめたような文章を話せるように訓練することが理想です。ご覧のように、ほとんど中学レベルの文法だけで説明可能なことが分かると思います。難易度が高いように見えますが、一人プレゼンは意外と簡単な英語でできるのです。
まとめ
スピーキング力向上に役立つ「一人プレゼン」のすすめを紹介しました。最初は、日記のようなテーマでもかまいません。誰と会ってどこで食事をして、どのような会話をしたか。自分の感じたことや学んだことなど、日常的なテーマから取り組むだけでも、表現の幅がグンと広がります。慣れてきたら日本文化のテーマにも取り組んでみてください。コーチング英会話のTORAIZ(トライズ)では、ネイティブ講師のレッスンで日本の文化を伝える練習などカスタマイズしたレッスンが可能です。英語が不安な方はご相談されてみてください。
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受講生のインタビューもご紹介します。
トライズでの1年は、
一生につながる1年だったと思います。
プロキャディ杉澤伸章さん
インタビュー
Versant 29 → 40
目標:海外選手に英語でインタビューする。達 成
英語に関しては、1年前の僕と今の僕を比較すると、めちゃくちゃ成長しました。僕にとって情報源がものすごく増えたんです。 ゴルフ専門チャンネルで解説をしているのですが、そのときに現地の音声や解説者の声など英語でしゃべってくる音声が全て聞こえてきます。
それはテレビでは放送されていないのですが、映像だけでは入ってこない情報が耳から入ってくるので、それを聞きながらしゃべっています。 現地のリポーターや解説者は一番リアルな情報なので、それが耳に入ってくることによって、例えば解説でも「今、現地ではこういうことを言っていますね」ということが、スッと言えるようになりました。