ベンチャー企業は英語で何と言う?実は和製英語って本当?
一般に企業といってもさまざまな分類があります。国営企業や民間企業をはじめ、大企業、中小企業、そのほか、零細企業、新興企業、大手企業など、企業には経営の目的や企業の規模によっていろいろな分類があります。
そのさまざまな企業の分類のひとつに、ベンチャー企業がありますが、みなさんはこのベンチャー企業が日本で誕生した和製英語だというのをご存じでしょうか。英語でventure companyと言っても、日本で使われている意味として通じることはありません。
こちらでは、そんなベンチャー企業をどのように英語で言うかを紹介しています。またそのほかさまざまな企業の分類を英語でどう表すかをまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。
本記事でわかること
- ベンチャー企業とは何か
- 英語でベンチャー企業をどう言うか
- さまざまな企業を表す英語
目次
ベンチャー企業とは
本記事のはじめにベンチャー企業は日本でできた和製英語だといいましたが、この「ベンチャー企業」には、さまざまな意味合いがあります。
そもそもベンチャー企業には、会社法といった法律が定める定義がありません。そのためどのような企業をベンチャーとするのかはっきりとしていないのですが、一般に、新しいアイデアや技術によって、これまでにないサービスを提供したり、ビジネスを展開したりする企業のことを「ベンチャー企業」といいます。
この特徴を軸に、設立したばかりの企業、スモールビジネスを展開する企業なども、ベンチャー企業といわれることがあります。
- ベンチャー企業は、日本で作られた和製英語
- 一般的に、新しいアイデアや技術によって、新しいビジネスを展開する企業
- 設立して間もない企業、スモールビジネスを展開する企業などを指すこともある
ベンチャー(venture)の意味は?
ベンチャー(venture)には、冒険的、進んで危険を冒すという意味があります。冒険を表すアドベンチャーといえば馴染みがあるかもしれませんが、ベンチャーも同じく、危険と知っていながら活動するという意味があります。いくつか例文を見てみましょう。
- “They ventured deeper into the forest.”
危険を冒して、森の奥深くへ入った。 - “Nothing ventured, nothing gained.”
虎穴に入らずんば虎子を得ず
ベンチャー企業は、一般に新しい事業をはじめる企業をいいますが、新しくビジネスをはじめることにはリスクを伴います。このリスクを伴うことを進んでするという意味で、ベンチャーという言葉が使われているのではないでしょうか。
ベンチャー企業は英語で何て言う?
英語には「ベンチャー企業」とおなじ意味となる言葉はありません。そのため、ベンチャー企業だと伝えたいときは、いくつかの言葉を使って、説明をする必要があります。
startup
英語には「ベンチャー企業」の特徴を表すものに、startup(スタートアップ)という言葉があります。startup companyともいったりしますが、スタートアップとは、創業したばかりの企業、いわゆる「新興企業」を指す言葉です。
このスタートアップにはいくつかの特徴があり、革新的である、これまでにない商品やサービスを提供している、自己資本もしくはベンチャーキャピタル(venture capital)から出資を受けている、などがあげられます。
また、短期間で大きな利益を出すためにデザインされているというのもスタートアップの大きな特徴です。新しいビジネスによる急激な成長を目的としており、そのために取りあつかう市場規模も大きくある必要があります。このような特徴があるため、スタートアップのほとんどがテクノロジー関連の企業になります。
スタートアップ = ベンチャー企業ではない
startupは、和製英語である「ベンチャー企業」に似たような英語として使われますが、日本のベンチャー企業などをstart-upというのは正確でないことがあります。
というのもベンチャー企業のなかには、経営を続けて価値を生み出し続けることを目的とした企業もあるからです。日本のベンチャー企業には、短期間で大きな利益を出すことを目的としていない企業も多く、そのため必ずしも、startup = ベンチャー企業というわけではないので、使い方には注意が必要です。
- startupは、新しい事業、新しい技術という意味で、ベンチャー企業に近い言葉
- 大きな市場で急成長を目指すためにデザインされた企業
- 短期間の利益を目指すという意味では、すべてのベンチャー企業にあてはまらない
small business venture
startupは、短期間での急成長を目的とする企業をいいますが、日本のベンチャー企業には、むしろ長期的に利益を上げるためにデザインされている中小企業のようなベンチャー企業もあります。
そのような企業は英語で、small business ventureと言ったりします。business ventureとは、「投機的事業」という意味を持つ言葉で、不確実ですが利益を見込むことのできる新しい事業をいいますが、日本のベンチャー企業の多くは、このようなビジネスベンチャーを行っているといえます。
スタートアップとの違いは、まず先にあげた短期間の急成長をゴールとしないという点があります。また融資に関しても違いが見られ、startupがベンチャーキャピタルなどから支援を受けることが多いのに対し、small business ventureは金融機関からの融資を受けていることが多いです。そして何より、長期的な経営を目的とする点に大きな違いがあります。
このような特徴を持つベンチャー企業をあらわすときは、small business ventureというほうがより伝わりやすい場合があります。
- small business ventureは、新しい事業で長期的な経営を目的とする事業
- 成長のありかたや融資の受け方がstartupと異なる
venture-backed company
日本のベンチャー企業は、venture capital(ベンチャーキャピタル)から出資を受けてビジネスをはじめているところも多いです。そのため、venture-backed companyというように、ベンチャーキャピタルから支援を受けている企業と言うこともできます。
ベンチャーキャピタルとは、投資を目的として他の企業へ出資する企業、投資会社をいいますが、民間金融機関からの融資が難しいことがあるベンチャー企業は、このベンチャーキャピタルから支援を受けて設立しているところも多いです。そういった出資元を示して、ベンチャー企業の特徴を伝えることもできます。
- ベンチャーキャピタルから出資を受けている企業ということもできる
- ベンチャーキャピタルとは、融資を受けにくいベンチャー企業などに出資する企業
その他の企業を表す英語
これまで、ベンチャー企業とは英語で何というかについて紹介してきました。最後に、その他の企業にまつわる英語をいくつかご紹介したいと思います。企業にはいくつもの分類がありますが、英語ではそれぞれ何と言うのでしょうか。
私企業と公企業
企業は、大きく分けて利益の追求を目的とした「私企業」と、公共の利益を目的とした「公企業」の2つに分けることができます。私企業は、privateという英語を使って、private enterpriseと言います。対する公企業は、公共を意味するpublicを使って、public enterpriseと言ったりします。
ちなみに、会社を表すcompanyを使うと、株式を公開していない個人会社(private company)株式を公開している会社(public company)を表します。
個人企業と共同企業
利益の追求を目的とした私企業は、大きく分けて「個人企業」と「共同企業」に分けることができます。個人企業は、個人が経営する企業を表し、英語ではsole proprietorshipといいます。対する共同企業は、複数の経営者がいる企業を表し、英語でpartnershipといいます。
法人企業
共同企業のなかには、法人という法律によって人と同じ権利や義務が認められた企業があります。このような企業を法人企業といいますが、英語ではcorporationという言葉を使います。
日本の企業には、会社法で区分される、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社の4つの種類がありますが、有限責任をもつ株式会社と合同会社がこのcorporationにあたります。
大企業、中小企業
中小企業は、日本の中小企業法で定義される企業規模です。そしてその規模よりも大きな企業を大企業といいますが、英語にも規模で企業を分けるような表現があります。
英語において企業の大きさは、small、medium、largeで表され、日本の中小企業のような規模の企業を、small and medium-sized enterprise(SME)やsmall and medium-sized business(SMB)といい、対する大企業をlarge enterpriseやlarge companyと言ったりします。
その他、和製英語についてまとめている記事が以下からご覧いただけます。ぜひ一度確認してみてください!
まとめ
本記事では、ベンチャー企業を英語でどう表すかについて紹介してきました。ベンチャー企業は、日本で誕生した和製英語で、その定義もさまざまなので英語にしにくい言葉でもあります。
そのためベンチャー企業が何かを伝えるのは難しいところがありますが、どのように表現すれば伝えわるかを考えたりするのもいい英語の学習になるかもしれません。
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プロキャディ杉澤伸章さん
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Versant 29 → 40
目標:海外選手に英語でインタビューする。達 成
英語に関しては、1年前の僕と今の僕を比較すると、めちゃくちゃ成長しました。僕にとって情報源がものすごく増えたんです。 ゴルフ専門チャンネルで解説をしているのですが、そのときに現地の音声や解説者の声など英語でしゃべってくる音声が全て聞こえてきます。
それはテレビでは放送されていないのですが、映像だけでは入ってこない情報が耳から入ってくるので、それを聞きながらしゃべっています。 現地のリポーターや解説者は一番リアルな情報なので、それが耳に入ってくることによって、例えば解説でも「今、現地ではこういうことを言っていますね」ということが、スッと言えるようになりました。