英語のディクテーションとは?やり方や効果、シャドーイングとの違いを解説
効果的な勉強方法としてよく名前が上がる「ディクテーション」
「ディクテーションという名前は聞いたことがあっても、実際にどういった勉強方法なのかまでは分からない」という方も多いのではないでしょうか。
特に独学で英語を学んでいる方は、ディクテーションの詳しい概要について知らない方が多い印象です。
そこで本記事では、ディクテーションについて、基礎的な学習方法から解説します。
ディクテーションは、英語のリスニング力を鍛えるにはもってこいの学習方法です。英語学習者の方で、ディクテーションについて詳しく知らない方や、リスニングが苦手で悩んでいる方は、ぜひ記事を最後までチェックしてみてください。
目次
英語のディクテーションとは?
ディクテーションとは、放送される音声を聞き取り、それを文字に書き起こす学習方法のことです。
英語学習においては、リスニング力を鍛えるための勉強方法として、よく取り組まれています。
ディクテーションとシャドーイングの違い
ディクテーションと似た勉強方法として、シャドーイングがあります。しかしディクテーションとシャドーイングは明確に違いがあります。
まずディクテーションは、先ほども解説したように、音声を聞き取って文字に書き起こす勉強方法です。一方シャドーイングは放送される音声の後を追うように、英語を発音する勉強方法です。
ディクテーションで鍛えられるのはリスニング力ですが、シャドーイングではスピーキング力がメインで鍛えられます。
効果的な英語の勉強方法としてまず最初に挙げられるディクテーションとシャドーイングですが、両者には明確な違いがあるので、この機会に両者の違いを覚えておきましょう。
シャドーイングについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
関連記事:【初心者向け】シャドーイングとは?3つの効果と勉強方法(やり方)を解説
ディクテーションに必要なもの
ディクテーションを行うために必要なものは、以下の3つです。
- 筆記用具
- 英語の音源
- 解説
※音源と解説が付いたおすすめの教材については、記事後半で紹介しています。
ディクテーションは放送される英語を文字に書き起こす学習方法です。よって、ノートやペン、消しゴムといった筆記用具が必要です。
ただし最近では、パソコンやスマホアプリを使ったディクテーションも可能です。パソコンやスマホアプリを使ってディクテーションをする場合は、キーボードを使って直接文字を入力するので、筆記用具は必要ありません。
続いて必要なのが英語の音源と解説です。解説は、ディクテーションで文字起こしした文章が正しいかどうかチェックするために使用します。ディクテーション用の教材を購入すれば、音源と解説は同時に手に入ります。
またディクテーション用の教材でなく、単語帳や文法書でも、音源と解説さえあればディクテーションは可能です。
ディクテーションのやり方3ステップ
ディクテーションは、以下の3ステップで行います。
- 音声を聞く
- 聞き取った音声を文字に書き起こす
- 書き起こした文字が正しいかを確認する
それぞれ詳しく解説します。
音声を聞く
まずは英語の音声を聞きます。
音声の長さは、必ず一文にしてください。聞き取る英文の量が増えすぎると、頭がパンクしてしまいますし、文字に書き起こすのが間に合いません。
そして音声を聞くのは一度だけにしてください。或いは、一度で書き起こせた英文と、二度目以降に書き起こせた英文を、色分けするなどして識別できるようにしておきましょう。
理想は一度で聞き取れるようになることですからね。何度も聞いて理解できた音声を「聞き取れた」とカウントするべきではありません。
聞き取った音声を文字に書き起こす
音声を聞きながら、聞き取った英文を文字に書き起こします。丁寧に書いていると間に合わないので、殴り書きで結構です。
また綴りが思い浮かばない場合は、カタカナでも良いので記載しておきましょう。そうすることで「リスニングはできるが綴りが分からない単語」と判別できます。
ディクテーション用の教材ですと、全文を書き起こすのではなく、空欄になっている重要箇所だけを書き起こせば良いので、効率的です。
書き起こした文字が正しいかを確認する
スクリプトを見て、書き起こした文字が正しいかどうかを確認します。正しく書き起こせていない箇所は、なぜ間違えているのかをチェックしましょう。
- 聞き取れていないから書き起こせない
- 聞き取れるが綴りを知らないから書き起こせない
上記のように書き起こせなかった原因が分かるはずです。聞き取れなかった音声は、聞き取れるようになるまでその場で何度も聞きましょう。
ディクテーションの効果・メリット3つ
ディクテーションの効果・メリットは以下の3つです。
- リスニング力がアップする
- 聞き取れない単語がピンポイントで分かる
- 聞き取れない原因が分かる
それぞれ詳しく解説します。
リスニング力がアップする
ディクテーションは、英語の音声を聞いて文字に書き起こす勉強方法です。1回で聞き取ろうと、集中して英語の音声を聞くので、リスニング力がアップします。
リスニングの勉強をするときに、同じ音声を何度も繰り返し聞いた経験がある方は少ないのではないでしょうか?
多くの英語学習者は、問題を解く時に音声を一度聞き、復習の時にもう一度聞くだけで、それ以上英語の音声をきくことはありません。つまり最大でも2回しか同じ英語の音声を聞かないのです。
しかしディクテーションでは、一言一句聞き逃さないように全力で英語の音声を聞きます。1回で聞き取るのがベストですが、1回で聞き取れなかった場合は、繰り返し何度でも英語の音声を聞きます。よってリスニング力が鍛えられます。
聞き取れない単語がピンポイントで分かる
ディクテーションを行えば、聞き取れない単語がピンポイントで分かるようになります。なぜならディクテーションでは、単語を一つ一つ文字に書き起こすからです。
「文字に書き起こせない単語=聞き取れない単語」ということになります。
ほとんどの方は、英語学習で復習を行う際、「どの単語が聞き取れなかったのか」をピンポイントで把握することなく、復習を終えてしまいます。
しかしどの単語が聞き取れなかったのかまで特定しなければ、次に同じ問題が出たときも、また間違えてしまいます。つまり復習の意味がありません。
ディクテーションを行えば、聞き取れない単語がピンポイントで分かるようになります。聞き取れない単語が分かったら、該当箇所を何度も聞いたり、スピードをゆっくりにして聞くなどして、聞き取れるようになるまで何度も聞きましょう。
聞き取れない原因が分かる
ディクテーションを行えば、英語が聞き取れない原因が分かるようになります。
聞き取れない単語が、見覚えのある単語だった場合、単語の発音を覚えられていない可能性が高いです。また聞き取れない単語が、見たこともない単語だった場合、単純に語彙力不足である可能性が高いです。
このようにディクテーションを行うことで、単語を聞き取れない原因を特定できます。ディクテーションを継続的に行っていく中で、語彙力不足だと分かった場合には、ディクテーションに加えて語彙力を強化するために単語帳を使った英語学習を行うべきです。
単語学習については、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:【英単語を適切な覚え方】もう挫折しない! 今日から始められる単語学習のコツ
また単語に見覚えはあるが、うまく聞き取れない単語が多い場合は、発音の学習をし直すべきです。英語の発音については、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:答えは教育法にあった!日本人は「英語の発音が苦手」な理由
ディクテーションのデメリット
ディクテーションには、デメリットもあります。
ディクテーションは、英語初心者には向いていません。なぜならディクテーションは、放送される英語音声の8割以上が理解できる英語レベルでなければ成り立たないからです。
放送される英語音声のほとんどが理解できない状態でディクテーションをしても、ほとんどの英文を文字に書き起こすことができません。
ほとんどの英文を文字に書き起こすことができなければ、復習すべき英単語の量が膨大になってしまいます。1問1問にとてつもない時間がかかり、全く前進できません。
また復習の量が多すぎて手が回らず、英語学習に挫折してしまう方も多く現れるはずです。
ディクテーションをしても、ほとんどの音声を聞き取れないような英語初心者のうちは、ディクテーションはおすすめできません。まずは基礎的な英単語や英文法から学習すべきです。
もしくは、自分の英語レベルに合った教材を見つけましょう。英語初心者でも、英語初心者向けの教材であれば十分ディクテーションは成り立ちます。
間違っても、レベルの高すぎる教材でディクテーションを行わないようにしてください。
一部で「ディクテーションは意味ない」と言われる理由
「ディクテーションは意味ない」と言われる理由に「ディクテーションでは聞き取れない音まで無理やり聞き取ろうとするから」というものがあります。
英語にはリエゾンという概念があります。例えば以下のような形です。
- ”jump in”は「ジャンプイン」ではなく、「ジャンピン」と発音される
「ジャンピン」と発音されるのに「プ」を聞き取ろうとしても、意味がありません。よってただ全ての音声を聞き取ろうとディクテーションをするのではなく、リエゾンについても並行して学ぶ必要があります。
リエゾンについては、以下の記事で詳しくまとめています。
関連記事:英語のリエゾンとは?5つの音声変化を初心者にも分かりやすく解説
【無料あり】ディクテーションにおすすめの教材・アプリ3選
ディクテーションにおすすめの教材・アプリをジャンル別に3つ紹介します。
- 究極の英語ディクテーション Vol. 1
- TEDICT
- 英語コーチングスクール
それぞれ詳しく見てみましょう。
究極の英語ディクテーション Vol. 1
「究極の英語ディクテーション Vol. 1」は、ディクテーションのための参考書です。価格は2,090円で、レベルは初級者向け(TOEIC400点レベル)です。
速い英語、出身国別訛り、自然な口調など、様々なパターンで音声が収録されています。また重要箇所のみをディクテーションできる穴埋め形式になっているので、効率的に学習を進められます。
書籍でディクテーションを学びたい方にはおすすめの1冊です。
TEDICT
「TEDICT」は著名人のスピーチが見られるサービス「TED」をディクテーション用にしたアプリです。価格は370円の買い切り型となっています。
TED自体は無料で利用できるため、TEDでディクテーションを行っても良いのですが、TEDICTの方が穴埋め形式になっており効率的です。
スピーチを題材にしたディクテーションということもあり、英語中上級者向けです。英語初心者にはおすすめしません。
ディクテーションにおすすめのアプリについては、以下の記事でも詳しくまとめています。
関連記事:【初心者から上級者まで】ディクテーションおすすめアプリ3選
英語コーチングスクール
英語コーチングスクールとは、単純な英会話レッスンに加えて、英語の学び方まで教えてもらえるサービスです。
学習カリキュラムは本人に合わせて組むことができます。ディクテーションを取り入れた学習カリキュラムを作成し、日本人の英語コーチに、正しくディクテーションができているかを確認してもらうことも可能です。
英語コーチングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
ディクテーションについてまとめました。ディクテーションは英語のリスニング力を伸ばすのに最適な勉強方法です。
しかし正しい方法でディクテーションを行わなければ、時間をかけたにもかかわらず全く成果が出ず、後悔してしまう事になります。
本記事で解説したような正しいディクテーションの方法で、自分に合ったレベルの学習教材を選び、ディクテーションを行いましょう。
早速本日の英語学習から、この記事で解説したことを実践してみてください。
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受講生のインタビューもご紹介します。
トライズでの1年は、
一生につながる1年だったと思います。
プロキャディ杉澤伸章さん
インタビュー
Versant 29 → 40
目標:海外選手に英語でインタビューする。達 成
英語に関しては、1年前の僕と今の僕を比較すると、めちゃくちゃ成長しました。僕にとって情報源がものすごく増えたんです。 ゴルフ専門チャンネルで解説をしているのですが、そのときに現地の音声や解説者の声など英語でしゃべってくる音声が全て聞こえてきます。
それはテレビでは放送されていないのですが、映像だけでは入ってこない情報が耳から入ってくるので、それを聞きながらしゃべっています。 現地のリポーターや解説者は一番リアルな情報なので、それが耳に入ってくることによって、例えば解説でも「今、現地ではこういうことを言っていますね」ということが、スッと言えるようになりました。