英語の発音記号まとめ!読み方を知って発音を良くしよう
みなさんは、発音記号というものをご存じでしょうか。æやərというようにアルファベットにも見えるこの記号、よく見かけるけれど、気にしたことがないという方も多いのでは。
ただ、この発音記号を知っているといないとでは、発音の良し悪しが大きく変わってきます。そこで今回は、英語の発音記号の読み方をご紹介したいと思います。
スピーキングをはじめリスニングの向上にもつながりますので、ぜひ参考にしてみてください。
本記事でわかること
- 発音記号とは
- 発音記号の分類と読み方
- 発音記号を学ぶのにおすすめの教材
- 発音記号を学べる動画
目次
英語の発音記号は大きくわけて2つ
英語の発音記号はいくつもありますが、大きくわけて「母音」と「子音」の2つに分類されます。
まずはこの母音と子音とは何から、簡単に見ていきましょう。
母音とは
母音(vowel)とは、発音するとき声があまり妨害されずにそのまま出てくる音をいいます。
たとえば日本語で「あ、い、う、え、お」と発音すると、歯や舌、唇などに妨げられることなく音がでますが、「ぱ」と発音すると、唇がふさがってから音が出ますよね。
このように、口の器官に遮られることなく発音される音を母音といい、アルファベットでいうとa、e、i、o、uがこれにあたります。
子音とは
子音(consonant)とは、声が舌、唇、歯などの発音器官に妨害されて出てくる音をいいます。
アルファベットでいうと母音以外のp、b、k、gなどがこれにあたり、発音器官によって摩擦したり、破裂したりして出てくる音です。
たとえば日本語の「た」は「ta」と発音するように子音の後にかならず母音が続くのでわかりにくいですが、英語では「t」と子音だけを発音することもめずらしくありません。
母音の発音記号
母音の分類は専門家によってことなり、アクセントの強さで分類するか(強母音・弱母音)、音の長短で分類するか(短母音・長母音)などさまざまです。
こちらでは、そのなかでも一般的とされる「短母音」「長母音」「二重母音」の3つの分類で、発音記号をご紹介していきたいと思います。
分類 | 発音記号 |
短母音 | ɪ、e、ɑ、ʌ、ǝ、æ、ʊ |
長母音 | i、ɑ:、ɔː、uː、ǝ:r |
二重母音 | ei、ɑi、ɑu、ɔi、ou |
短母音
短母音(short vowel)とは、1つの母音からなる音で、そのうち短く発音する母音をいいます。短母音の発音記号は次の7つです。ひとつずつ見ていきましょう。
ɪ
日本語の「イ」と「エ」の中間にある音です。
(例)sit、live、busy、women
e
日本語の「エ」に近い発音記号です。「ア」に近い響きもあり、「エ」と発音するよりも大きく口をあけて発音します。
(例)bed、pen、bread、any
ɑ
日本語の「ア」よりも舌をやや後ろにして発音します。
(例)hot、got、want、quality
ʌ
「ア」と「オ」の中間的な音で、「ア」よりやや舌を高め後ろよりにして発音します。
(例)sun、cup、love、double
ǝ
口を軽くあけて「ア」と発音します。そのとき、舌や唇の力を抜いて弱めに音を出します。
(例)about、banana、sofa、success
æ
日本語の「ア」に「エ」を加えたような音です。「ア」と「エ」を同時に言うように発音します。
(例)cat、back、man、aunt
ʊ
唇をやや丸くして「ウ」と発音します。日本人には「オ」にも聞こえる音です。
(例)book、look、pull、could
関連記事:【発音練習】英語の発音を誰でも簡単に勉強出来るサイトをご紹介!
長母音
長母音(long vowel)は、長く発音する母音をいいます。ただ後ろに来る子音によって、短母音よりも短くなることがあり、単に短母音を長くしたものとは異なります。
たとえば、bitとbeatは長母音のbeatのほうを長く発音しますが、短母音のbidとbeatはどちらもおなじくらいの長さです。こちらでご紹介するのは次の5つです。
iː
日本語の「イ」に近い発音で「イー」と伸ばして出す音です。そのとき唇は横に引いて発音します。
(例)see、tea、eat、feel
ɑː
「ア」よりも口を大きくあけ、奥のほうから「アー」と伸ばして発音します。
(例)father、calm、spa、ah
ɔː
日本語の「アー」と「オー」の中間で発音する記号です。口を大きくひらいて発音します。
(例)talk、all、law、cause
uː
日本語の「ウー」より口をすぼめて突き出しように発音します。
(例)cool、super、food、rule
ǝ:r
アメリカ英語特有の母音で、舌を巻きながら「ウー」というつもりで発音するのがポイントです。
(例)girl、earth、learn、heardなどがこの発音になります。
二重母音
二重母音は、複合母音(compound vowel)とも言われ、2つの母音が連続する母音をいいます。こちらでは、次の5つをご紹介します。
ei
「e」から「i」に向かう発音になります。日本語でいう「エ」にかるく「イ」を添えるような音になります。
(例)fail、cake、paper、day
ɑi
日本語の「ア」に近い音から始まり、「イ」と「エ」の中間に向かう音をいいます。
(例)island、find、cry、pie
ɑu
日本語の「ア」に近い音から始まり、「ウ」と「オ」の中間に向かう発音になります。このとき「ア」を強めに発音するのがポイントです。
(例)out、allow、count、how
ɔi
日本語の「オィ」に近い発音ですが、そのとき「オ」と「イ」にならないように注意が必要です。
(例)oil、boil、boy、point
ou
「オ」の後にかるく「ウ」を添えるような発音になります。「ɔː」とも間違えやすい音ですが、「オウ」と「ア/オー」といった違いです。
(例)coat、boat、note、road
関連記事:社会人にこそおすすめしたい!フォニックスで発音を学ぶ
子音の発音記号
子音も声帯が振動するか(voicing)、発音の際どこが閉じられるか(point of articulation)といった分類があります。
こちらでは、どのような音の妨害があるかによる「閉鎖音」「摩擦音」「破擦音」「鼻音」「側音」「半母音」に分けて、発音記号をご紹介していきたいと思います。
分類 | 発音記号 |
閉鎖(破裂)音 | p、b、t、d、k、g |
摩擦音 | f、v、θ、ð、s、z、ʃ、ʒ、h |
破擦音 | tʃ、dʒ |
鼻音 | m、n、ŋ |
側音 | l |
半母音 | j、w、r |
閉鎖音(破裂音)
閉鎖音(stop)もしくは破裂音(plosive)と呼ばれる発音は、口を閉じて破裂させるようにして出す音をいいます。こちらでご紹介する閉鎖音(破裂音)次の6つです。
p
日本語の「パ行」の子音になります。上下で唇をしっかり閉じ、破裂させるように発音します。
(例)pen、pin、pack、map
b
日本語の「バ行」にあたる子音です。「p」と同じくしっかり口を閉じ、はじくように発音します。
(例)baby、beer、big、cab
t
「タ、テ、ト」の発音に、舌を歯茎につけてはじくように音を出します。
(例)tie、try、pat、matter
d
「ダ、デ、ド」に近い音で「t」と同じく舌先を歯茎につけて発音します。
(例)desk、deep、leader、ride
k
日本語の「カ行」にあたる子音です。カ行に小さな「ツ」がつくようなイメージで「カッ、クッ」といった発音をします。
(例)kind、back、quick、unique
g
日本語の「ガ行」にあたる子音です。「k」と同じ要領で発音します。
(例)gold、goat、egg、jogging
摩擦音
摩擦音(fricative)とは、空気の通路を狭くして、そこを通る空気の摩擦によって生じる発音をいいます。摩擦音には、次の9つがあります。
f
下唇を噛んで、「フ」と空気を漏らすように発音します。
(例)free、fight、feel、roof
v
こちらも下唇を噛んで発音します。そのとき声帯を震わせるように「ヴ」という音を出します。
(例)very、above、vibe、voice
θ
舌の先を歯の上下にかるく挟み、息を漏らしながら舌を抜くようにして発音します。この方法で日本語の「ス」を発音するようなイメージです。
(例)think、three、bath、mouth
ð
「θ」と同じ要領で「ズ」というように発音します。
(例)this、that、these、mother
s
日本語の「ス」に近い発音ですが、歯から「ス―」と息を漏らすように発音します。
(例)see、seat、sigh、class
z
「ザ」「ジ」「ズ」に近い発音ですが、「s」と同じ方法で息を漏らしながら音を出します。
(例)zoo、busy
ʃ
日本語の「シャ」「シュ」「ショ」に近い発音です。「s」の音に「イ」や「エ」を足すような音になります。
(例)sheet、ship、shell、shame
ʒ
日本語の「ジャ」「ジュ」「ジョ」に近い音になります。声帯を震わせて音を出します。
(例)vision、usual、pleasure、measure
h
口を開けのどから息を吐くように発音します。「ハ行」を伸ばすような音です。
(例)home、half、heat、hand
破擦音
破擦音(affricate)とは、破裂音と摩擦音を同時に出すようにして発音する音をいいます。破擦音は、次の2つです。
tʃ
日本語の「チ」に近い発音です。ただ「チ」よりも唇をまるく出して発音します。
(例)church、change、catch、picture
dʒ
「tʃ」と同じ方法で声帯を震わせて発音します。「ザ行」に近い発音です。
(例)joke、gentle、June
鼻音
鼻音(nasal)とは、口を閉じて鼻から抜けるような子音をいいます。鼻音の発音記号は、次の3つです。
m
唇を巻き込み「ン」を発音します。唇を巻き込んでいるため「ンム」というような音になります。
(例)man、some、moon
n
舌先を歯茎につけ、鼻に抜けるようにして「ンナ」と発音します。
(例)none、nine、nice、night
ŋ
舌の奥を口の奥に閉じるようにつけて発音します。「ング」といった音になります。
(例)morning、sing、ring、thing
側音
側音(lateral)とは、舌先を歯茎につけた状態で発音する音です。舌の側面から息が流れるため側音と呼ばれています。
l
舌の先を歯茎につけたまま、声を出すように発音します。舌をつけて「ラ」と発音するようなイメージです。
(例)law、light、tall、clear
半母音
半母音(semivowel)とは、母音と子音の両方の特徴を持っている発音です。わたり音とも呼ばれています。半母音は、次の3つです。
j
舌の中あたりを上あごにつけ、「イェ」というように発音します。
(例)year、young、yet
w
唇を丸く突き出し、一気にひらいて「ゥワ」と発音します。
(例)world、woman、what
r
口をすぼめ、舌を口の奥に丸めた状態で「ウ」と発音するような音になります。
(例)read、right、grass、rabbit
発音記号を学べる教材5選
ここまで発音記号について解説してまいりましたが、「教材を使ってしっかり学びたい!」と思う方もいらっしゃるかと思います。
そこで、発音記号について腰を据えてしっかりと学べる教材えお、ボリューム別に以下の5つをご紹介します。
- 声に出して読む英語発音の本
- だれでも正しい音が出せる 英語発音記号「超」入門
- 世界一わかりやすい英語の発音の授業
- イギリス英語発音教本
- ニューヨーク発 最強英語発音メソッド 英語発音2週間マスタープログラム
順番に見ていきましょう。
すぐに読みきれる発音記号の教材
まずはすぐに読みきれる発音記号の教材です。
1.声に出して読む英語発音の本
「声に出して読む英語発音の本 1日6分でネイティブ英語」は、150ページほどの読みやすい教材です。
「1日6分、声に出して読む」をコンセプトにした参考書ですが、解説に発音記号を用いており「HotとHut」や「SeeとShe」など、日本人には判別しづらい発音について丁寧にわかりやすく解説しています。
発音はもちろん、英語に馴染みのない人でもわかりやすいように基礎の基礎から解説しているので特に初心者の方におすすめしたい一冊です。
2.誰でも正しい音が出せる 英語発音記号「超」入門
「誰にでも正しい音が出せる 英語発音記号『超』入門」は、150ページほどの読みやすい教材です。
前述した「声に出して読む英語発音の本」と同じくらいのボリュームの教材ですが、こちらはより「発音記号」に焦点を当てた教材です。
「超」入門とあるように、口の形のイラストなどと共に、易しく丁寧に発音記号について解説されているため、初心者でもわかりやすい教材だといえます。
しっかり発音記号を学ぶ教材
つづいて、しっかりと発音記号を学べるボリュームの教材です。
3.世界一わかりやすい英語の発音の授業
「世界一わかりやすい英語の発音の授業」は、スタディサプリの「神授業」で有名な関正生先生による発音の教材です。
ページ数は200ページほどで、口の形のイラストや発音記号付きで丁寧に解説されています。
前述した「すぐに読み切れる」2冊に比べて50ページほどボリュームはありますが、「なぜ日本人は英語の発音を難しいのか?」「なぜネイティブの会話は聞き取れないのか?」などをわかりやすく解説しているため、長くて苦痛に感じることもありません。
非常に詳しく、かつわかりやすく発音記号を学べる教材だといえます。
4.イギリスの英語発音教本
「イギリス英語発音教本」は、タイトルの通りイギリス英語の発音について学べる教材です。
教材のボリュームは200ページ程度で、前述の「世界一わかりやすい英語の発音の授業」と同じくらいです。
イギリス英語の発音に特化した教材ですが、発音を説明するのに発音記号を用いているため、しっかりと発音記号を学ぶことができます。
「イギリス英語を話したい(学びたい)」と考えている方にはピッタリの教材だといえます。
5.ニューヨーク発 最強英語発音メソッド 英語発音2週間マスタープログラム
「ニューヨーク発 最強英語発音メソッド 英語発音2週間マスタープログラム」は、タイトルの通り「2週間のレッスンでカタカナ英語を抜け出す」をコンセプトに書かれた教材です。
ボリュームは250ページ程度です。
これまで紹介した教材の中でもっともボリュームのある教材ですが、これまで紹介した教材と同様にカラーで見やすいレイアウトと非常に丁寧な解説で、「長い」と感じることはありません。
論理的な語り口で書かれているため、「発音、発音記号について本腰を入れて学びたい」と考える人にはピッタリの教材です。
発音記号を学べる動画
最後に、発音記号について学べる動画をご紹介します。
↑の動画では、「発音記号について、どんな意識で取り組めばいいのか」について学ぶことができます。
「発音記号、全部覚えるのなんてムリー!」とお思いの方でも、「なるほど、全部暗記する必要なんてないんだ!」と納得でき、発音記号を学ぶ意欲につながることでしょう。
また、発音記号を覚える過程をイメージできるので、これから発音記号を学んであなたの英語の発音がみるみる向上していくイメージがついていくのもおすすめポイントです。
↑の動画は、発音記号と実際の発音を網羅(もうら)的に学ぶことができます。
発音記号と音声を同時に聞くことができるので、効率的に学ぶことができますよ。
まとめ:発音矯正なら「トライズ」の発音短期集中講座
こちらでは、英語の発音記号をまとめてご紹介しました。発音記号は一見難しそうですが、読み方を覚えてしまうと単語の発音にとても役に立ちます。
これからとくに英会話に力を入れたいという方は、ぜひ発音記号を学んでみてはいかがでしょうか。
また英語コーチングTORAIZでは、発音矯正に特化した10日間コース「トライズ発音集中講座」をご用意しております。
コースに少しでも興味がある方は、一度発音について相談されてみてはいかがでしょうか?
■発音矯正に特化した10日間コース「トライズ発音集中講座」はこちら
短期で英語を話せるようになりたい方に
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トライズは、日本人コンサルタントとネイティブコーチが専属でサポートしてくれる、英語コーチングスクール。レッスンは週3回確保される上に受け放題。マンツーマンの面談やメールで日々サポートも受けられて、他のスクールとは一線を画す本格的なプログラムになっています。
「短期間でどうしても英語が話せるようになりたい」という方には、おすすめのスクールです。
受講生のインタビューもご紹介します。
トライズでの1年は、
一生につながる1年だったと思います。
プロキャディ杉澤伸章さん
インタビュー
Versant 29 → 40
目標:海外選手に英語でインタビューする。達 成
英語に関しては、1年前の僕と今の僕を比較すると、めちゃくちゃ成長しました。僕にとって情報源がものすごく増えたんです。 ゴルフ専門チャンネルで解説をしているのですが、そのときに現地の音声や解説者の声など英語でしゃべってくる音声が全て聞こえてきます。
それはテレビでは放送されていないのですが、映像だけでは入ってこない情報が耳から入ってくるので、それを聞きながらしゃべっています。 現地のリポーターや解説者は一番リアルな情報なので、それが耳に入ってくることによって、例えば解説でも「今、現地ではこういうことを言っていますね」ということが、スッと言えるようになりました。