アメリカドラマ「SUITS」から学ぶ英会話フレーズ 日常会話からビジネスまで

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佐藤 梨香(さとう りか)
青山学院大学文学部英米文学科卒業。米国メリーランド大学グローバルキャンパス在学中。青山学院大学在学中は、ロシアのモスクワ大学に短期留学経験もあり。
大手塾にて10年以上英語講師を務め、大学受験指導を担当。好きな海外ドラマは、SUITS。

ビジネス英語が学べるドラマとして人気の高い「SUITS」

ニューヨークを舞台に、敏腕弁護士ハーヴィー・スペクターとその相棒マイク・ロスが勤める弁護士事務所「ピアソン・ハードマン」を取り巻く法律ドラマです。ストーリーの面白さだけではなく、日常会話からビジネス英語まで学ぶことができるのが人気の理由となっています。まだストーリーを見たことのない人のためにも導入編としてSeason 1 Episode 1から、知っておきたい英語フレーズを紹介します。

The ball is in your court. (主導権はあなたにあります)

事務所のクライアントである男性ジェラルドと事務所の所長であるジェシカがオフィスで話しています。そこに、ジェシカに呼ばれたハーヴィーがやってきます。どうやらジェラルドは、一度承諾した取引内容について、更に自分の思い通りの条件にするために変更を迫っているようです。自分に有利に働かせようとするジェラルドを「卑怯だ」とハーヴィーは非難しますが、ジェラルドは、自分が雇い主なのだから自らに権限があることを主張します。そうした状況の中でハーヴィーはこのように言います。

The ball is in your court, but the truth is, your balls are in my fist.

直訳すると、「ボールはあなたのコートの中にありますが、実際のところは、あなたのボールは私のこぶしの中にあるのです」となります。つまり、クライアントとして多額のお金を支払っているジェラルドに主導権があるように見えて、実際のところは、ハーヴィーが様々な取引に関しての主導権を握っているということを意味しています。

この”The ball is in your court.”というフレーズは、「主導権はあなたにある」という意味で使われます。テニスに例えた言い回しで、ballはテニスボールを、courtはテニスコートを指しています。スポーツに例えた表現は日本語にも様々存在しますが、英語にもこのような表現があるので覚えておきましょう。

Live up to one’s potential(能力を発揮して生きる)

第1話の最後にハーヴィーの相棒としてピアソンで働くことになるマイク・ロスには高齢の祖母がいます。マイクにとっては唯一の肉親と言える存在です。そんな祖母が入院している病院をマイクが訪れた際に、祖母がマイクに言う台詞からフレーズを紹介します。

And I want you to promise you’re going to stat living up to your potential.

コーチング英会話スクールのトライズ

「自分の能力を生かして生活すると約束してほしいのよ」と話しているのですが、“live up to one’s potential”は「能力を発揮して生きる」という意味です。実は、マイクは一度見たり読んだりしたものを記憶することができるという高い記憶力の持ち主で、憲法も暗記しているほど非常に頭の良い青年です。にも拘わらず、ある事情で大学を中退することとなり弁護士になる夢を諦めざるをえませんでした。そのため、自らの頭の良さを利用し、ロースクールの替え玉受験を仕事に生計を立てています。祖母はそのことを知っているため、“start living up to your potential”と言っているのです。

この台詞を文法的な観点から説明を加えておきましょう。「want+人+to-V」は「人にVしてほしい」という意味ですから、「私はあなたに約束してほしい」となります。promiseの後ろにはthatが省略されていると考えて、「promise (that) SV」の形で「SがVであると約束する」を意味し、まとめると「自分の能力を発揮して生活すると約束してほしいのよ」と訳せます。

I got kicked out of school, I got knocked into a different life.(学校を退学になり、人生が変わってしまったんだ)

「学校を退学になり、人生が変わってしまったんだ」というマイクの台詞です。ジェシカの命令によりハーヴィーは自分の相棒を探すこととなりましたが、その面接を行っていたホテルでマイクと出会います(マイクは麻薬の密売に加担しホテルを訪れていました)。そこで、マイクは大学を退学となった不運な人生についてハーヴィーに語りますが、これがそのときの台詞の一つです。「kick out of ~」は「~から追い出す」という意味なので、“I got kicked out of school.”(学校から追い出された)、つまり「学校を退学になった」と訳せます。また、「knock into」は「打って中へ入れる/(釘などを)打ち込む」の意味です。“I got knocked into a different life.”は「異なる生活へと打ち込まれた=人生が変わった」と捉えることができます。釘が打たれて木材に食い込まれていくように、弁護士を目指す生活をしていたところから替え玉受験を仕事にする底辺の生活へと変わり、「a different life」の中に打ち込まれてしまったことを表現しています。

People are in awe of him. (皆、彼のことを敬っているわ

ひょんなことからハーヴィーの相棒として働くきっかけを得たマイク・ロス。初出社の日、パラリーガルのレイチェル・ゼインに社内を案内してもらいます。そのときに、マイクはレイチェルに、ハーヴィーがどのような人物なのか尋ねます。そこでレイチェルはこのように答えました。「皆(ピアソンの人々)、彼に一目を置いているわ。一番のクローザーだと言っているの」と言っています。“be awe of ~”は「~を畏怖する」と訳せますが、誰かに対してかしこまって敬いの気持ちを示すことを表します。respectとも似ていますが、畏敬の念も含まれる点がこの“in awe of ~”という表現です。偉大な人物のことを称えたいときなど、ビジネスの場面でも使えそうな表現ですね。余談ですが、このレイチェル・ゼイン役の女優が、イギリスのヘンリー王子と結婚したメーガン・マークルです。それにより、「SUITS」が再び話題を呼びました。

SUITSを見る上で知っておきたい英単語

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ここでは、「SUITS」を見る上で知っているとよりスムーズにドラマが楽しめる英単語を紹介します。「SUITS」に限らず、アメリカのドラマや映画を見る際に知識として知っていると役立ちます。

  • Pro Bono

プロボノは法律系のドラマではよく耳にする単語です。ラテン語のPro Bono Publicoの略称で、弁護士が公益のために無報酬にて行う活動のことです。ジェシカが “Pro Bono cases are how we as a firm show that we care about more than just ourselves.”(プロボノ案件は、事務所として自社のこと以上にいかに社会のことを考えているかを示すもの=事務所としての善意を示す活動)と言っているように、プロボノ案件を引き受けることは法律事務所の社会的イメージアップにも繋がるのです。

  • close/closer

営業職に就いている方にとっては馴染みのある言葉だと思いますが、closeやcloserという言葉は「SUITS」の中で頻繁に使われています。ビジネスの場面での「closeする」とは、契約を成立させること表します。close the deal(契約を締結する)という風に使えます。また、法に則って双方の意見を聞き合意に導いて契約を締結させる代理人をcloserと呼びます。ハーヴィーはその道のエキスパートですから、ジェシカは第1話の冒頭シーンで“He’s our best closer.”(彼はうちで一番の代理人よ)と言っていました。

  • associate

これは単純に同僚や仕事仲間、ビジネスパートナーを意味する言葉です。劇中では、ベテラン弁護士の下で相棒として働く若手弁護士たちのことを「associates」と呼んで頻出します。ハーヴィーはマイクの上司にあたりますが、マイクはハーヴィーのことを“He’s my associate.”と表現していることがあります。bossと表現していないのは、2人が仕事上のパートナーであるという関係性が伺えます。

  • attorney

これは、lawyerとほぼ同じ意味で使われる言葉で弁護士のことです。lawyerよりもややかしこまった言い方という印象で、劇中ではattorneyもよく使われています。

まとめ

「SUITS」から学ぶ英語フレーズを紹介しました。英語圏におけるビジネス上の話し方や振る舞い方も勉強になるドラマです。中級者以上向けの難易度ではありますが、初級者の方も聞き取れる部分があると思います。まだ見たことのない方は、「SUITS」を英語教材として利用してみてはいかがでしょうか。

SUITSのようなビジネス英語を学びたいという方は、仕事で使える英語力が身につくコーチング英会話トライズにも一度ご相談されてみてください。



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