英語リスニング強化におすすめの勉強法 3選!年代・資格試験別に徹底解説
英語のリスニングができなければ、英会話で相手の話を理解することも、洋楽を聞くことも、海外旅行先の駅でアナウンスを聞き取ることもできません。
本記事では、英語のリスニング力強化におすすめの勉強法を3つ紹介します。
記事後半では、TOEIC・英検のように試験別、中学生・高校生・社会人のように年代別にリスニングの勉強法を紹介しています。
リスニング対策を始めたいものの何から初めていいのか分からずに悩んでいる方は、ぜひ記事を最後までチェックしてみてください。あなたにぴったりのリスニング勉強法が分かりますよ。
目次
【前提知識】英語リスニング力の強化には「音声知覚」と「意味理解」が必要
英語リスニングの仕組みは、音声知覚と意味理解の2つに分けられます。
「英語のリスニングができる状態」とは、まず音声知覚ができて、その次に意味理解ができる状態のことを指します。
ここが曖昧なままがむしゃらにリスニング対策をしても、あまり効果はありません。
具体的な英語リスニングの勉強法について解説する前に、まずはこの音声知覚と意味理解について理解しましょう。
音声知覚と意味理解について知っている方は、このパートは飛ばしていただいて構いません。
音声知覚とは?
音声知覚とは、聞こえた音声が「どんな音なのか」を知覚することです。例えば”cat”と音声が流れた場合「これは猫という意味だな」と考える前に「キャット」という音声を聞き取るはずです。
リスニングの流れとしては次のようになります。
- キャットという音声を聞き取る
- 「キャット=猫」と頭の中で理解する
上記のステップ1に当たるのが音声知覚です(ちなみに上記ステップの2は後述する意味理解です)。
リスニングの際、何度音声を聞いても全く聞き取れない場合、音声知覚に問題があります。速度をゆっくりにしたら聞き取れるが、通常速度だと聞き取れない場合も、同様に音声知覚に問題ありです。
音声を聞くだけだと全く理解できなくても、解答解説を見てみると「何だ!こんな簡単な単語だったのか」と驚いた経験はありませんか?
音声知覚が弱い原因はいくつもありますが、主な原因としては以下のようなものがあります。
- 英語をカタカナ英語で覚えている
- 単語学習の際、付属の音声ファイルを使用していない
- 発音の仕組み(リエゾンやリンキングなど)を理解していない
3つ目の「発音の仕組み(リエゾンやリンキングなど)を理解していない」に関しては、例えば”want to”は「ウォント トゥ」ではなく”want”と”to”が繋がって「ウォントゥ」と発音されるといった形です。
関連記事:正しく発音し、正しく聞き取る♪英語のリンキングを学ぼう
意味理解とは?
意味理解とは、聞き取った音声の意味を理解することです。音声知覚でリスニングを以下の2ステップだと紹介しました。
- キャットという音声を聞き取る
- 「キャット=猫」と頭の中で理解する
音声知覚がステップ1で、意味理解がステップ2です。
音声は聞き取れても意味が理解できない場合は、音声知覚ではなく意味理解に問題があります。
また聞き取った音声の意味を瞬時に理解できるのか、聞き取ってから理解するまでに時間がかかるのか、意味理解にもレベルがあります。
意味理解が弱い原因としては、単語学習の反復が足りていないといった点が挙げられます。
英語が聞き取れない原因
英語が聞き取れない原因には、主に以下の3点が挙げられます。
- 正しい英語の発音を知らない
- 英単語の意味を知らない
- 音声変化を知らない
順番に見ていきましょう。
英語の発音を知らない
英語が聞き取れない原因のひとつに「正しい英語の発音を知らない」ことが挙げられます。
先述の「音声知覚」にエラーが生じているイメージですね。
例えば、英語の音声を聞いた後、リスニング音声の台本(スクリプト)を確認したら「全部知っている英単語が使われていたのに、全然聞き取れていなかった…」といった経験はありませんか?
これは、知っている英単語の「英語での音声」を知らなかったことが原因です。
例えば、「An apple」という英語を、あなたはなんと読むでしょうか。
多くの日本人英語学習者は、これを「アン アップル」と読むでしょう。
しかし、英語圏のネイティブスピーカーは「An apple」を「アナァポゥ」と読みます。
これは「英語の発音がそもそも日本語の発音と遠く離れている」からだと言えます。
An appleの例だと、日本語では「ラ行」で統一されて認識されている「Lの発音」も、前歯の裏側を舐めるようなイメージで発音するので「ゥ」に近い発音になるわけですね。
こうした「カタカナ英語と実際の発音とのギャップ」があることで、「知っている英単語でも、実際の発音は知らない」という事態が発生するわけです。
英単語の意味を知らない
英語が聞き取れない原因のひとつに「読み上げられた英単語の意味を知らない」ことが挙げられます。
これは単純に英単語の意味を知らないので、例え発音を聞き取れていたとしても意味を理解できないわけです。
先述の「意味理解」にエラーが生じている状態です。
音声変化を知らない
音の繋がり「リエゾン」の理解は、ナチュラルな英語を聞き取る上で必要です。リエゾンは、リンキングと呼ぶこともあります。
ネイティブが話す英語はリエゾンが頻繁に起こります。
単語一つ一つの発音は理解していても、リエゾンした後の発音を知らなければ、リスニングはできません。
リエゾンにはルールがあります。主に以下の3つです。
- 連結
- 脱落
- 同化
連結
単語同士がつながって1語のように、発音されることです。ネイティブ同士の会話では、このリンキングが頻発します。
脱落
文字で見ると存在する音を発音しない(音が抜け落ちる)ことです。シャドーイングなどのトレーニングで実際にどこの音が発音されていないのか音と文字を紐づけることでトレーニングすることができます。
同化
隣り合う音が変化して違う発音になることです。例えば、「did you」をディドユーと発音せず、ディヂューと発音するなどです。
以下に詳しく解説している動画がありますので、参考にしてみてください。
英語のリスニング力強化におすすめの勉強法3選
音声知覚と意味理解を伸ばしながらリスニング力を強化するのにおすすめの勉強法が以下の3つです。
- ディクテーション
- シャドーイング
- 英会話レッスン
それぞれ詳しく解説します。
ディクテーション
ディクテーションとは、聞き取った音声を文字に書き起こす勉強方法です。音声知覚と意味理解のどちらに問題があるのか、もしくはどちらもできていないのかを判断するのに適しています。
ディクテーションで音声を聞いて、そもそも何と言っているのか聞き取れない場合は、音声知覚に問題があります。また聞き取れても文字に書き起こせない場合は、綴りが分かっていないことになります。音声は聞き取れても意味が理解できない場合は意味理解に問題があります。
ディクテーションによって「何となく聞き取れなかったな」から「なぜ聞き取れなかったのか」が明確に分かるようになります。
また英語学習において、正確なスペルを覚えることを重要視していない場合、聞き取った英語でスペルがわからない箇所はカタカナで文字に起こしても構いません。例えばTOEICはリーディングとリスニングの試験なので、TOEICスコアを伸ばすことを第一に考えれば、スペルは不要です。
ディクテーションについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:ディクテーションとは?やり方や効果、シャドーイングとの違いを解説
シャドーイング
シャドーイングとは、流れる音声についていくように英語を発音する勉強方法です。ネイティブの音声をコピーするように英語を発音するので、ただ自分で英文を音読するよりも効果的です。
ネイティブの音声の直後に発音することで、発音が鍛えられ、音声知覚の能力が上がります。またネイティブと同じ速度で英語を話すので、速い音声でも聞き取れるようになります。
シャドーイングについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:【初心者向け】シャドーイングとは?3つの効果と勉強方法(やり方)を解説
英会話レッスン
リスニング力を強化するためには、ディクテーションやシャドーイングなどの効果的な勉強方法に加えて、実践的な英会話レッスンも必要です。
ディクテーションやシャドーイングでは、参考書に付属のナレーション音声や、テレビのニュースやプレゼンの音声を使用します。これらの音声は「正しい英語が使われている」という点では良いのですが、実際の英会話で耳にする音声とは異なります。実際の英会話で耳にする音声と比べて、どこか機械的です。
日本語での会話でも、ニュースのアナウンサーのように正しくてハキハキとした日本語で会話をする方はいませんよね。
英語の勉強は独学でできても、英語を話すのには相手が必要です。そして日本国内で英会話ができる相手を見つけるのは簡単なことではありません。
英会話教室に通うなど、国内で英会話ができる環境も確保しましょう。
また英会話レッスンを受けるのであれば、ネイティブの講師のレッスンを受けるのがおすすめです。理由は以下の記事にまとめております。
間違ったリスニング勉強法
先述のような効果的なリスニングの勉強法がある中で、実践してもまるで効果がない間違ったリスニング勉強法があります。
それが「何もせずにただ英語を聞き流す」勉強法です。
リスニング力を高めるためには、流れてくるリスニング音声の発音を追い、しっかりと意味を理解しようとしなければ効果がありません。
英語を聞き流すにしても、何度も練習して発音と意味をバッチリ理解した状態でないと効果がないことは明白です。
これはしっかりと発音と意味を理解した上で英語を聞き流す勉強法が、「聞き流すだけで英語が上達する!」という宣伝文句だけが一人歩きした結果だと言えるでしょう。
リスニングの聞き流し勉強法については以下の記事で効果をまとめております。
関連記事:英語の聞き流しはリスニングに効果なし!理由と解決法を解説
資格試験別!英語リスニング強化におすすめの勉強法
英語のリスニング力強化におすすめの勉強法はディクテーション・シャドーイング・英会話レッスンの3つです。
そこからさらに深く掘り下げて、資格試験別のリスニング勉強法についても見てみましょう。
TOEIC
TOEICはマークシート式の試験で、出題される単元はリスニングとリーディングだけです。
まずマークシート式ですので、ディクテーションの際に綴りまで完璧に覚える必要はありません。
またスピーキング力までは問われませんので、スピーキングとリスニングを両方鍛えられるシャドーイングや英会話レッスンよりも、リスニング力に絞って鍛えられるディクテーションの方がおすすめです。
TOEICリスニング対策におすすめの参考書については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:【必見】TOEICリスニング対策おすすめ勉強法・レベル別参考書まとめ!
英検
英検では3級以上の級を受ける際は、2次試験として英語での面接があります。
3級以上の級を受けるのであれば、シャドーイングを行って1次試験のリスニングと2次試験のスピーキングを同時に学習するのがおすすめです。
一方3級以下の級を受けるのであれば、ディクテーションでリスニングのみを学習するのがおすすめです。
関連記事:英検2級の二次試験(面接)の流れ・勉強方法・必要なフレーズを徹底解説
年代別!英語リスニング強化におすすめの勉強法
続いて年代別のリスニング勉強法について見ていきましょう。
中学生
中学生のリスニング勉強法で大切なのは、できるだけ早くリスニング対策を始めることです。耳を英語に慣らすには時間がかかります。よって中1からリスニング対策を始めておきたいところです。
学校で配布される教材に、CDや音声ダウンロード用のリンクがついています。英文を覚える際に、読めるようになって終わるのではなく、リーディングとリスニングをセットにして覚える癖をつけましょう。
高校生(大学受験/共通テスト)
高校で習う英語は、中学で習う英語と比べて難易度が一気に上がります。
高校生のリスニング勉強法では、聞き取れないところを特定し、修正する能力が求められます。聞き取れないところを確実に1つずつ修正することで、大学受験や共通テストでの点数アップにつながります。
よって今回紹介した3つの勉強方法の中でもディクテーションがおすすめです。聞き取れない箇所を1つずつ潰していくことで、確実なスコアアップを目指せます。
社会人(初心者)
英語初心者の社会人がリスニング対策を始める際に大切なのは、自分のレベルに合った教材を選ぶことです。
例えば社会人になってビジネス英会話を学びたいからといって、中学英語が危ういのにビジネス英会話を学び始めるのはおすすめできません。
まずは自分の英語力を知り、自分のレベルに合った英語学習方法や教材を選定しましょう。
リスニング強化おすすめ参考書とアプリ
リスニング力強化には、ディクテーション、シャドーイング、英会話レッスンの3つが効果的だと先述しましたが、これらを実践するのに効果的な参考書とアプリを紹介します。
TOEIC公式問題集
TOEIC公式問題集は、ディクテーションとシャドーイングに効果的な参考書だと言えます。
なぜなら、リスニングパートごとに短い文章と長い文章で練習できるからです。
TOEICのPart1とPart2は、初心者がディクテーションを行うのに適した短さの文章で挫折を防げますし、Part3とPart4は中級者から上級者までシャドーイングでグングンリスニング力の地力を底上げするのに役立つ長文です。
そのままTOEICの対策にもなるので、ディクテーションとシャドーイングを行うのに適した参考書だと言えます。
英会話リスニング
英会話リスニングは、英会話でのリスニングトレーニングを疑似的に実践できるアプリです。
旅行・留学・海外出張などの定番シーンで役に立つフレーズを音声付きで学ぶことができます。
無料でスマートフォンにダウンロードできるので、手軽に始められて、ちょっとしたスキマ時間にもスマホ一台で学習を始められるのもおすすめポイントです。
英語のリスニングを勉強する際に大切な2つのこと
英語のリスニングを勉強する際は、以下2つのことに注意しましょう。
- 毎日続ける
- 休憩時間もYouTubeなどで楽しくリスニングを学ぶ
それぞれ詳しく見ていきます。
毎日続ける
英語のリスニングは、とにかく毎日続けることが大切です。1日1時間も2時間もリスニングに費やす必要はないので、無理ない範囲で毎日続けましょう。
数日リスニングに触れない日ができてしまうと、そこで一気にこれまで学んだことを忘れてしまいます。そしてそれを取り戻すのには、通常よりも大きな労力が必要になります。
学生時代、数週間ぶりに部活をするとこれまで当たり前にできていたことができなくなっていた経験があるのではないでしょうか?リスニングもそれと同じ感覚です。
忙しい日は1日10分でも構わないので毎日リスニング学習をするようにしましょう。
休憩時間もYouTubeなどで楽しくリスニングを学ぶ
リスニングの勉強は、参考書を使った勉強だけではありません。街中で流れる英語の音声に耳を傾けたり、英語の映画やYouTube動画を見たりすることも、リスニングの勉強になります。
日常的にYouTubeを見る方は、英語圏のチャンネルで好きなチャンネルを見つけておくと、休憩中にのんびりYouTubeを見ている時間も勉強時間になりますよ。
リスニング力を正しく伸ばすには英語コーチングスクールがおすすめ
リスニング力を伸ばすには、英語コーチングスクールがおすすめです。英語コーチングスクールとは、英会話レッスンに加えて、英語のプロであるコーチによる学習のサポートも受けられるサービスのことです。
リスニング力を強化するのにおすすめの勉強方法として、ディクテーション・シャドーイング・英会話レッスンの3つを紹介しました。
これら3つのうちディクテーションとシャドーイングに関しては、自宅で学習することになるはずです。英会話教室で学べるのは英会話だけですよね。
しかし英語コーチングスクールなら、英会話レッスンに加えて、自宅学習のサポートも受けられます。どんな教材を使えばいいのか、どのくらい学習すればいいのかを教えてくれたり、毎日どのくらい学習したかをチェックしてくれたりします。
リスニング力を強化するための勉強方法を紹介しましたが、これら3つを全て自力で完璧にこなすのは簡単なことではありません。そんな時は英語コーチングスクールで英語学習のサポートを受けましょう。そうすれば確実にリスニング力を強化できますよ。
1年間で英語力を飛躍的に向上させられる英語コーチングスクールのトライズについては以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:英語のリスニング力を伸ばすために英語コーチング「トライズ」で実施する勉強法とは?
まとめ
リスニング力の強化方法について解説しました。リスニング力は数日や数週間で伸びるものではありません。今回紹介した3つの勉強方法を、継続していきましょう。
またいくらディクテーションやシャドーイングを行っても、自分にあったレベルではなかったり、方法が間違っていては意味がありません。
正しい方法で学ぶためには、英語コーチングスクールの受講も検討してみてください。
社会人が日々の忙しさや停滞期のつらさに負けず、一人で勉強を続けていくのは決して簡単なことではありません。
英語コーチングのトライズでは、忙しい受講生たちに寄り添い、二人三脚で英語勉強の指導・サポートをいたします。
仕事での英語の悩みを解決したいと思われた方は、ぜひトライズの無料カウンセリングにお申し込みください。
短期で英語を話せるようになりたい方に
おすすめのスクールは「トライズ」
トライズは、日本人コンサルタントとネイティブコーチが専属でサポートしてくれる、英語コーチングスクール。レッスンは週3回確保される上に受け放題。マンツーマンの面談やメールで日々サポートも受けられて、他のスクールとは一線を画す本格的なプログラムになっています。
「短期間でどうしても英語が話せるようになりたい」という方には、おすすめのスクールです。
受講生のインタビューもご紹介します。
トライズでの1年は、
一生につながる1年だったと思います。
プロキャディ杉澤伸章さん
インタビュー
Versant 29 → 40
目標:海外選手に英語でインタビューする。達 成
英語に関しては、1年前の僕と今の僕を比較すると、めちゃくちゃ成長しました。僕にとって情報源がものすごく増えたんです。 ゴルフ専門チャンネルで解説をしているのですが、そのときに現地の音声や解説者の声など英語でしゃべってくる音声が全て聞こえてきます。
それはテレビでは放送されていないのですが、映像だけでは入ってこない情報が耳から入ってくるので、それを聞きながらしゃべっています。 現地のリポーターや解説者は一番リアルな情報なので、それが耳に入ってくることによって、例えば解説でも「今、現地ではこういうことを言っていますね」ということが、スッと言えるようになりました。