英語のコミュニケーションの成功は「英語力」では決まらない
英語の勉強が進み、TOEIC(R)の点数も上がってくると、英語でのコミュニケーションも上達しそうなものです。しかし実際には、TOEIC(R)の点数が伸びても、英語でコミュニケーションができるとは限りません。
いったいなぜ、そのようなことが起きてしまうのでしょうか。ここでは、どうすれば英語を使ったコミュニケーション能力を伸ばせるのかをご紹介します。
目次
TOEIC(R)の点数とコミュニケーション能力は一致しない
前述したように、TOEIC(R)の点数が高くても、英語でのコミュニケーション能力が高いとは限りません。これは、TOEIC(R)が、英語力の一部分を測る試験であって、コミュニケーション能力を測る試験ではないからです。
TOEIC(R)には、英語の基礎力を測る「Listening & Reading テスト」以外に、アウトプット能力を測る「Speaking & Writingテスト」があります。どちらのテストも、相手の反応に対して受け答えをしているわけではないので、コミュニケーション力を測ることができないのです。
もちろん、TOEIC(R)の点数が上がったなら、英語力が高くなったことは確かです。しかし、「英語でのコミュニケーション能力」を身に付けるには、英語力だけでなく、別の資質や訓練、知識が必要になってくるのです。
英語でコミュニケーションをするのに必要な姿勢
では、英語でコミュニケーションを成功させるには、何が必要なのでしょうか。ここでは、英語力よりも重要な2つの姿勢をご紹介しましょう。
1 コミュニケーションをとろうとする姿勢
英語でコミュニケーションを成功させるには、「コミュニケーションをとろうとする姿勢」が大切です。「何を当たり前のことを」と思われそうですが、英語でコミュニケーションをとる際、「英語で話す」ことばかりに気をとられ、コミュニケ―ションが成立しなくなるケースがあります。
例えば、「ここには三単現の『s』をつけないと」「この表現は何というんだっけ」と考えるあまり、会話の途中で黙り込んでしまったりしていないでしょうか。文法は大切ですが、多少不正確でも、会話のキャッチボールを続けていくほうが、もっと大切なのです。
この問題は、場数を踏んで英語でのコミュニケーションに慣れることで解決できることが多いです。英語でディスカッションをする、ボードゲームをするなど、「英語で◯◯をする」活動に参加して、「◯◯」のほうに意識を向けていくようにするといいでしょう。
2 わからなければ相手に聞く姿勢
もうひとつは、会話の中でわからないことがあれば、相手に聞く姿勢です。日本語では、話を聞いてわからなければ、聞く側の責任とされます。ですが、欧米圏、特にアメリカでは、「相手に通じないのは話者の責任であり、わかるように説明する義務がある」という考え方が一般的です。
ですから、わからないことがあれば、遠慮なく聞きましょう。「もっと簡単な英語で話してください」と頼むことに、気後れする必要もなければ、話者の機嫌を損ねる心配をする必要もありません。
この考え方は世界のスタンダードですから、「Excuse me」や「I’m sorry」と言えば、やさしい単語を使う、ゆっくり話すなど、聞き手に配慮して話をしてくれます。
なお、最初に「I don’t speak English well. Speak slowly. (英語は得意ではないので、ゆっくり話してください)」と頼んでおいてもいいですが、だいたいは「No! (そんなことないよ!)」と言われます。
ですが、聞き取れないことがわかると、こちらに合わせて言い直してくれることが多いでしょう。
円滑なコミュニケーションのために知っておきたいテクニック
英語でのコミュニケーションの姿勢ができたら、あとは英語らしいコミュニケーションをするだけです。しかし、英語でコミュニケーションをとるなら、欧米の文化や習慣に合わせたマインドに切り替えなければいけません。
ここでは、円滑な英語でのコミュニケーションのために、知っておきたいテクニックをいくつかご紹介します。
臆せず会話に加わろう
英語でコミュニケーションをするのであれば、まずは臆せず会話に加わることが大切です。
欧米圏、特にアメリカは、どんな意見であろうと一度は受け入れてくれるので、気にせず思ったことを率直に言ってみてください。
また、相手に対して質問したいことがあっても、頭の中で英文を組み立てているうちに話題が変わってしまうこともあります。すぐに言葉が出てこない時は、無理に文法的に正しい疑問文を作ろうとせず、肯定文でいいのでまず口に出してみましょう。
そして、肯定文でも文末を上げるように話せば、「質問しているな」という意図は伝わります。
言葉に詰まったときは何か言葉でつなぐ
英語のコミュニケーションで注意したいのが、話している途中で話したい英語が組み立てられず、そのまま黙ってしまうことです。黙ってしまうと、相手は「話は終わりかな?」と思ってしまうので、話したいことがあるのなら、「Well…」「You know…」「Let me see…」「I think…」などの言葉をつなぎましょう。
どれも日本語で言うなら「あ~…」「え~…」くらいの意味です。あまり多用するのはよくありませんが、相手に考え中であることが伝わりますし、考える時間も稼げます。
また、相手が話している際は、合いの手を入れることで相手に「話を聞いているよ」というサインを送るといいでしょう。
例えば、「Uh-uh」や「Great」「Wonderful」「Yeah, right」などです。なお、このときの「Great」や「Wonderful」には、賞賛の意味はありません。「うん、そうだね」くらいの意味と考えましょう。
基本的な尊敬表現や丁寧な言い回しを覚えておく
「英語には尊敬表現はない」という人がいますが、それは半分間違いです。確かに英語には、日本語のように敬語表現でのみ使われる専用の言葉はありません。
しかし、通常使われる言葉を使って敬意を表したり、丁寧さを伝えたりする表現はあります。
例えば、依頼なら下記のような表現がありますが、「Please…」は、ほぼ命令に近い、強い言い方です。
・Please…
・Can you…?
・Could you…?
・I was wondering if you could…
また、「Can you…?」はカジュアルすぎます。「Could you…?」はニュートラルな感じで、「I was wondering if you could…」になると、丁寧な表現という印象を与えます。
日本語のイメージとしては、「やれ」「やってよ」「やってください」「やっていただけますか」という感じでしょうか。
挨拶に関する表現なら、下記のものは一般的な「お会いできてうれしいです」を意味します。
・Nice to meet you.
・I’m glad to meet you.
これが、下記のようになると、「お会いできて光栄の至りです」くらいの、最上級の敬意を表す表現になります。
・I’m honored to meet you.
英語は日本語に比べてカジュアルに見えますが、年長者や所属組織の上層部には、やはり敬意を払った表現を使うのが一般的です。
ですから、基本的な尊敬表現や丁寧な言い回しは、覚えておいたほうがいいでしょう。
日本語の直訳は避ける
日本独自の言い回しをそのまま英語にしてしまうと、誤解を招くことがあります。
例えば、「前向きに検討します」という表現は、日本では「前向きに検討しましたがダメでした」という結果になることもありえます。
しかし、この表現をそのまま英訳して伝えてしまうと「前向きに検討するならOKが出るだろう」と受け取られてしまい、OKが出なかった場合、後でもめるかもしれません。
話題を用意しておく
フリートークは、どのような話題になるかわからないので、知らない単語などが出るとコミュニケーションができません。そこで、あらかじめ相手が興味を持ちそうな話のネタを用意しておくのがおすすめです。
例えば、海外からのお客さんを連れて街を案内するのであれば、東京タワーなどの観光名所について話すのもいいでしょう。反対に、自分が海外へ出張するのなら、日本のことを話題にできます。「東京のことを聞かれたら、満員電車について話す」といったネタを用意しておくといいでしょう。
もし、用意できなければ、相手に質問をしてお互いの共通点を見つけることです。多少、話題があちこちに飛んでもいいので、「By the way, … (ところで~)」なども駆使し、お互いに興味のある趣味や分野を探していきましょう。
単語や表現が思い付かなければ、知っている言葉を組み合わせる
会話の途中で言いたい単語や表現が思い出せない、あるいは知らなくて出てこない場合は、自分の知っている単語を組み合わせて表現してみましょう。
「オックスフォード現代英英辞典」では、約18万語に及ぶ語彙が、基本単語3,000語で説明されています。つまり、基本3,000語を知っておけば、英語で表現したいことはだいたい言い表すことができるのです。
例えば、「日本の夏は蒸し暑い」と言いたい場合、「humid(蒸し暑い)」がわからなくても、「hot … and lots of steam」と言うことはできます。「steam(蒸気)」と「humid」とでは多少ニュアンスが違いますが、おおよそ言いたいことは相手に伝わります。
会話以外の重要な要素
コミュニケーションは、会話だけで成り立っているわけではありません。相手に自分が今どう思っているかなど、ボディランゲージなどで伝えることが、コミュニケーションを成立させる秘訣です。
ここでは、コミュニケーションの際に、会話以外に行いたい要素をご紹介します。
ボディランゲージ
ボディランゲージは、自分の感情を表す上でかなり有効な方法です。必要に応じて「肩をすくめる」「ハイタッチする」などをすることで、相手とのコミュニケーションが円滑に進むでしょう。
ですが、英語力が十分でないうちから多用すると、「通じるからいいや」と英語力の成長が止まりがちなので注意が必要です。一方、きちんと勉強している人なら、気にせず磨いていくことをおすすめします。
アイコンタクト
アメリカを始め、欧米圏の人は、会話中はしっかりアイコンタクトをとるのが普通です。
アイコンタクトがないと、話を聞いていないと思われかねません。基本的に、会話中はじっと相手の目を見ていればOKです。
大切なのは「英語を話すこと」ではなく「コミュニケーションをとること」
英語でのコミュニケーションは、ついつい「英語を話す」ことばかりに意識が向きがちです。しかし、大切なのは相手としっかりコミュニケーションがとれることです。正しい英語を話そうと意識しすぎず、相手の話を聞いたり、自分のことを話したりして、両者のあいだに会話が生まれるようにしましょう。
もし、コミュニケーションに自信がなければ、ネイティブ講師との個人レッスンもあるトライズの英語学習で練習してみてはいかがでしょうか。
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「短期間でどうしても英語が話せるようになりたい」という方には、おすすめのスクールです。
受講生のインタビューもご紹介します。
トライズでの1年は、
一生につながる1年だったと思います。
プロキャディ杉澤伸章さん
インタビュー
Versant 29 → 40
目標:海外選手に英語でインタビューする。達 成
英語に関しては、1年前の僕と今の僕を比較すると、めちゃくちゃ成長しました。僕にとって情報源がものすごく増えたんです。 ゴルフ専門チャンネルで解説をしているのですが、そのときに現地の音声や解説者の声など英語でしゃべってくる音声が全て聞こえてきます。
それはテレビでは放送されていないのですが、映像だけでは入ってこない情報が耳から入ってくるので、それを聞きながらしゃべっています。 現地のリポーターや解説者は一番リアルな情報なので、それが耳に入ってくることによって、例えば解説でも「今、現地ではこういうことを言っていますね」ということが、スッと言えるようになりました。