英語での学会発表は間の取り方が重要!自信を持つための練習法とは?
国際学会での発表は、学問分野を問わず英語が主流です。そのため、研究活動と英語は切り離せないものになっています。しかし、「国際学会で発表しなければいけないのに、英語が苦手…」と悩む研究者も多いのではないでしょうか。
英語での学会発表は難しそうに感じますが、事前にしっかりと準備しておけば、相手に伝わりやすい発表をすることが可能です。
今回は、英語での学会発表を成功に導くためのポイントを、発表の心構えから懇親会やレセプションでの過ごし方、学会の司会で使えるフレーズまで、TORAIZ語学研究所所長の西牧健太が解説します。
目次
英語での学会発表の基本
学会発表で最も大切なのは、正確に情報を伝えることです。それには、原稿の内容を、速くもなく遅くもない速度で聴衆に聞きやすく音読する力が必要です。
一般的なプレゼンテーションでは、原稿を見ながら話すことは少なく、原稿の内容をある程度覚えた上で、自分の言葉で話すことが求められます。モニターに映された資料を示しながら話せるので、強調したいところは画面を指し示すなど、動作でアピールすることもできます。
しかし、学会での発表の場合は、事前に作成した原稿を持ち込み、10分などの限られた持ち時間の中でそれを読み上げていくのが基本です。プレゼンテーションのように身ぶり手ぶりでのアピールができない分、重要部分の強調などもすべて言葉で行わなければならず、どのように抑揚をつけて読むか、間を取るかといった点が非常に重要になります。
英語での学会発表に向けた準備
用意した原稿をわかりやすく読み上げるには、学会前に原稿を用意することと、わかりやすく読む練習をすることの2つを準備する必要があります。
国際学会の準備①わかりやすい原稿を用意する
教授の指導のもとに原稿を作れば、多くの場合、問題ありません。時間をかけて、しっかりした原稿を準備しましょう。
国際学会の準備②わかりやすく読む練習をする
日本語は「かな1文字=1拍」であり、どの音も音の長さは変わりません。そもそも棒読みの言語なので、ゆっくり音読しさえすれば、それで正しく伝わります。しかし、英語の音の長さは一定ではなく、抑揚やアクセント、リズムが大切です。日本語の感覚で読むと非常に聞きづらくなってしまうので、相手に伝わりやすく読むための練習が必須です。
音読にあたって気を付けるべき点はたくさんありますが、次の順にクリアしていくのがおすすめです。
正しい位置で文を区切る
英文の音読は、意味のまとまりを一区切りとして、リズム良く読むのが基本です。この区切りの位置がおかしいと、日本語で例えると「こちらも合わせてご確認ください」を「こちら/も/合わせてご/かく/にんください」と言っているようなもので、非常に聞き取りにくくなってしまいます。
そこでまずは、意味のまとまりとして正しい場所に区切りを入れながら読めるよう、しっかり練習することが大切です。
時間に合わせて読む
学会での発表は10分間など持ち時間が決まっており、早すぎず遅すぎず、時間どおりに終わるように発表しなければなりません。時間どおりに英文を読むことは英語上級者でもなかなか難しいので、時間に合わせて読む練習も必要になります。
抑揚をつけて読む
正しい区切りの位置で、全文を時間どおりに音読できるようになったら、どこを強めに読むかといった抑揚も工夫したいところです。重要な箇所には下線を引くなど目印をつけておき、強調したい場所ははっきり強めに読むようにします。
声の大きさにも注意
先に紹介した3つのポイントに加え、技巧以前に注意したいのが声の大きさです。どんなに発表内容がすばらしく、英語の文章に何の問題もなかったとしても、声が小さくては聴衆に伝わりません。学会発表では、原稿を読み上げる都合上、どうしても下を向いて小さな声になりがちなので、常に大きくはっきりと声を出すことを心掛けるのがおすすめです。
なお、学会発表に限りませんが、特に英語に自信がない方は声が小さくなりがちです。すると「声が小さくて聞こえません」という意味で、「もう一度言ってください」と聞き返される機会も増え、それを「私の英語はやっぱりダメなんだ…」と誤解してどんどん自信を失ってしまう、といった悪循環にはまりがちです。
英語の発音に自信がなくても、前後の文脈やリズム、抑揚から誤解が起こることはほぼないので、発音に関してはそれほど気にする必要はありません。自信を持って大きな声を出してみてください。
英語での学会発表の練習方法
学会で発表する原稿に関して、ある程度自分で音読の練習ができたら、実際に第三者に聞いてもらうのがベストです。英会話レッスンを利用するのもいいですし、ネイティブか英語のうまい方に頼んで模範音声を録音してもらい、それを使ってシャドーイング(聞こえてくる音を真似して発音する語学訓練法)を行うのもおすすめです。
時間どおりに読む練習をするには、周囲に協力してもらい、実際に教室などを使ってタイムキーパーを立てた状態で練習するのがいいでしょう。人は、緊張するとだいたい早口になってしまうので、実際に発表する場所を想定して、場に慣れる練習をしておくと安心です。VRゴーグルを使って、「論壇で聴衆を前にスピーチする」といったシチュエーションを体感することも可能です。
なお、練習期間の目安ですが、英語が苦手な人ほど早く取り掛かるに限ります。1週間前では遅く、少なくとも発表の2~3週間前には原稿を読み上げる練習を行うのがおすすめです。
英語での質疑応答のフレーズ集
学会では、発表の後に質疑応答の時間があります。何か質問を受けたら、「Thank you very much your question.(ご質問ありがとうございます)」または「That’s a good question.(それはいい質問ですね)」などと一言添えてから、質問に答えるのが定番です。
なお、相手の質問を正確に聞き取り、英語で答えるにはそれなりの英語力が必要ですが、次のような定番フレーズを覚えておくと役に立つでしょう。
学会で役立つ英会話フレーズ
- Do you have any questions or comments? (質問やコメントはございますか?)
- Could you repeat your question? (質問を繰り返していただけますか?)
- What do you mean by “ABC”? (「ABC」とはどういう意味ですか?)
- Thank you very much for sharing your thoughts with us. (ご賛同くださり、ありがとうございます)
- (I’m afraid / I’m sorry)I can’t answer that question right now. (そのご質問には今お答えすることはできません)
- I’ll get back to you later. (後ほどお答えします)
- Does that answer your question? (ご質問の答えになっていますでしょうか?)
もし、質疑応答に英語で対応できる自信がなかった場合、「Do you have any questions or comments?」で質問の有無を尋ね、何か質問が出れば「(I’m afraid / I’m sorry)I can’t answer that question right now.」と「I’ll get back to you later.」で押し通すことも、できなくはありません。
ただし、多用すると研究者としての能力を疑われかねないので、事前にある程度どのような質問が出るか予測し、答えを用意しておくほうが無難です。
参加者懇親会やブレイクタイムの過ごし方
国際学会では、出席者の交流会であるウェルカムパーティーのほか、懇親会や発表の合間にロビーなどで雑談するブレイクタイムがあります。せっかくの機会なので、発表者や他の研究者に積極的に話しかけ、親睦を深めていくのがおすすめです。
フリートークが苦手でも、「I enjoyed your presentation. Can I ask some questions? (すばらしい発表でした。内容に関していくつか質問してもいいですか?)」など、賛辞の言葉や発表の感想が会話のきっかけになります。
感想をもらえることは、多くの発表者はうれしく思うものですから、積極的に話しかけてみてください。
学会発表はしっかり準備をすることが成功につながる
学会発表は、用意した原稿を声の表現だけでわかりやすく伝えることが大切です。たいへんそうに感じますが、文を区切る位置と抑揚に気を付け、読むスピードを速すぎず遅すぎず、時間内に収める練習を繰り返せば、たとえ英語が苦手でも伝わりやすい発表をすることはできるようになります。
質疑応答は少し難度が上がりますが、事前に質問されそうなことを予測して準備しておけば、自信を持って臨むことができるでしょう。
また、学会発表の感想をもらうことや、伝えることは、他の研究者との交流のきっかけにもなります。気負いすぎずに、積極的に伝えてみてください。
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受講生のインタビューもご紹介します。
トライズでの1年は、
一生につながる1年だったと思います。
プロキャディ杉澤伸章さん
インタビュー
Versant 29 → 40
目標:海外選手に英語でインタビューする。達 成
英語に関しては、1年前の僕と今の僕を比較すると、めちゃくちゃ成長しました。僕にとって情報源がものすごく増えたんです。 ゴルフ専門チャンネルで解説をしているのですが、そのときに現地の音声や解説者の声など英語でしゃべってくる音声が全て聞こえてきます。
それはテレビでは放送されていないのですが、映像だけでは入ってこない情報が耳から入ってくるので、それを聞きながらしゃべっています。 現地のリポーターや解説者は一番リアルな情報なので、それが耳に入ってくることによって、例えば解説でも「今、現地ではこういうことを言っていますね」ということが、スッと言えるようになりました。