グローバルなステージだからこそ起こる、英会話の意外な落とし穴
東京都生まれ。香港在住22年。2020年よりオーストラリアに移住。
大学在学中、中国・雲南省に留学。卒業後バックパックを背負って、インド・中国などアジア諸国を1年間放浪する。香港・中国の日系企業でビジネススキルを身に付け、その後香港で独立起業。現在は作家・翻訳家として活躍中
近年、技術進歩や国際関係の変化により「グローバリゼーション」というキーワードをよく耳にするようになりました。それに伴い、企業経営にもグローバル化の波が押し寄せ、世界各国で展開するグローバル企業が急成長を遂げてきました。
もちろん、世界の共通言語として一番に挙げられる英語にもグローバル化が必要な時が訪れています。
そんな英語のグローバル化に適応していくために、英会話学習者が念頭におきたい意外な落とし穴について、触れてみたいと思います。
目次
相手の英語が分からない!!が起こる理由
日本の大学や英会話学校で、英語を学んだ学習者が、社会人になって、初めてビジネスステージで、英語のコミュニケーションを取ろうとする際に、たまにパニックに陥るケースが起こります。
「相手の話している英語が全然聞き取れない!」
ずっと中学から英語を勉強してきて、英会話教室にも通ったし、英検も1級だしTOEICもハイスコアを取った…外資企業に就職も決まって、世界中を舞台にカッコよく活躍するはずだったのに…。
それは、相手が話す英語が、今まで英語の先生が話していた英語や、英語教材で使われていたニュートラルなアクセントとまるっきり違うことに起因する悲劇です。
自分の言いたいことは伝えられているのに、相手の言っていることが理解できない…悲しいことに、これではコミュニケーションは成立しませんね。
日本の英会話教育はアメリカ式
江戸時代、ヨーロッパから多くの宣教師や商人が日本を目指して来航しました。それゆえに、その頃の日本人にとっての英語は、イギリス式のいわゆるクイーンズイングリッシュが主流でした。
ところが、戦後アメリカGHQの占領下、日本人にとっての身近な英語は、クイーンズ英語からアメリカ英語へと切り変わっていったのでした。
それから現在に至るまで、日本の英語教育はすっかりアメリカ英語が根付いてきました。
想定外の英語でパニックに陥ることも…
日本の学校や英会話教室、ハリウッド映画などで、すっかりアメリカアクセント漬けになった私たちの耳は、それ以外の国の英語のアクセントを耳にした時、どこか耳慣れなさを感じるようになりました。
現在、世界には1,000以上ものアクセントが存在すると言われています。
そのうち、もっとも有名なのはイギリス式のクイーンズイングリッシュではないでしょうか?
他にも、有名なもので、「オジーアクセント」と呼ばれるオーストラリア英語や、「ボリウッド英語」と呼ばれるインド英語など、その特色は上げればきりがないほどです。
そして、アクセントだけでなく、同じ単語で同じスペリングなのに、発音や読み方まで変わってしまうこともあります。
例えば、前述のオーストラリア英語は“day(日)”の「デイ」という音を「ダイ」と発音したり、インド英語なら”number(数)”の「ナンバー」という音を「ナンバル」と発音したり、はたまたニュージーランド英語は”ear(耳)”の「イヤー」を「エアー」と発音したり…と色々な英語が存在しているのです。
会話の中で、こういった予想外のアクセントが出てくると、話が噛み合わず「何の話をしているのか分からない!」とパニックに陥って、頭の中が真っ白になってしまうことがあるのです。
グローバルなステージで戸惑う社会人1年生
英語を使う職場環境にデビューした社会人1年生が、まず最初に戸惑うのは文法重視の学校の英語と、コミュニケーション重視の実践英語の違いではないでしょうか。
外資系企業などでは、社内のコミュニケーションは全部英語で、日本人同士でも英語を使うことがあります。
そういった時、日本人同士の英語はお互い伝わりやすいものです。それは、今まで習ってきた学習方法やアクセントが、お互いに共通しているからです。
しかし、ビジネスの場で世界中を舞台にする場合、相手は必ずしも英語のネイティブスピーカーだけではなく、シンガポールや香港、インドなどのように半母国語のように英語を話す人達の英語や、文法は気にせず単語を巧みに並べて話す英語、ヨーロッパなどの他言語のアクセントが混ざった英語、同じイギリスでありながらアクセントが全く違うスコットランド英語やウェールズ英語など、耳に飛び込んでくる英語は多種多様です。
グローバル化に伴い、私達の英語も多様性を受け入れ、幅広い視線で学ぶことが大切ですね。
単語一つ取っても違う!アメリカ英語とクイーンズ英語
英語の代表格といえば、アメリカ英語と「クイーンズ英語」と呼ばれるイギリス英語。
この二種類の英語だけを比較しても、アクセントだけではなく、単語自体が違うものもたくさん存在しています。
例えば、みなさんが普段日本語としても使用している”elevator(エレベーター)”。これはあくまでアメリカ式の言い方で、イギリスでは”lift(リフト)”と呼ぶのが一般的です。
他にもガソリンスタンドは、アメリカでは“gas station”、イギリスでは”petrol station”。
ベビーカーは、アメリカでは”baby buggy”、イギリスでは”pram”。
アパートは、アメリカでは”apartment”、イギリスでは”flat”など、挙げればきりがありません。
前後の文脈から単語の意味を予測したり、友人などと話していて意味を訊ねることができる場合は良いのですが、ビジネスなどで初対面の相手と話すときに、こういった普段自分が何気なく使用している単語が、まったく違う単語になって会話に出てきてしまったがために、相手の意図がつかめないという事態も起こり得ることを知ってくと、いざという時に慌てずに対応できるかと思います。
英語は多種多様、自分のニーズにあった英語を学ぼう
一口に英語と言っても、その多様性は今まで述べてきた通りです。
以前、知り合いがクライアントの女性に”Can I use the loo?”と聞かれ、”loo”の意味が分からずに何度も聞き直して、クライアントに気まずい思いをさせてしまった事がある、という話を聞いた事があります。
クイーンズ英語では、特に女性がトイレの事を婉曲的に表現する時に、”loo”という単語を使うことがあります。
しかしながら、クイーンズ英語に触れたことのない人にとっては、”loo”という単語を聞いたことがない人がほとんどではないでしょうか?
仕事で英語を使う必要がある場合や、旅行や出張の予定がある場合は、自分がこれから触れる予定の英語について、事前に知識をつけておくことが大切です。
例えば、外国のクライアントと会議をする予定がある場合は、その国の英語のアクセントを習得する必要はないまでも、仕事に関わりそうな単語についてその国ではどう表現するのか、ある程度の知識をつけておくと良いかもしれませんね。
柔軟な英会話を学ぶための秘訣とは!?
では、実際にどうやって多様な英語に対応できるようにすれば良いのでしょうか?
今まで身に付けた勉強法をいきなり変えろなんて言われてもなかなか難しいですよね。
そこで、みなさんが無理せず取り入れられるような学習方法をいくつかご紹介したいと思います。
書籍・映画を意識的に選んでみよう
英語の学習手段として、英字新聞や英語のペーパーバックを読んだり、吹き替えなしの映画を観たりする人も多いかと思います。
そこで、さらに一歩踏み込んで、その作者や制作された国なども意識して作品をチョイスしてみるのはいかがでしょうか?
今はインターネットの普及により、色々な国のニュース記事もネットで閲覧できるようになりました。
例えばアメリカのCNNニュース(www.cnn.com)、イギリスのBBCニュース(www.bbc.co.uk)や、オーストラリアのABCニュース(www.abc.net.au)など、同じニュースについてピックアップして、それぞれの国でどうやって報道しているかを読み比べたりするのも、異なる英語に触れる練習にとても役に立ちます。
映画も、あえてインドのボリウッド映画や、アイルランドの作品など、意図的にアクセントの強い英語に耳を慣らすと、多様な英語に対するリスニング力が飛躍的に上がることは間違いないでしょう。
まとめ
もちろん、興味を持った国を実際に旅行して、生の英語に触れるのは、英語学習へのもっとも効果的な方法の一つです。とはいえ、休みもなかなか取れず、そんな気軽に海外旅行になんか行けないという人には、その国の人が実際に経営しているようなレストランやパブなどに通って、オーナーと話すというのも手です。
英会話教室に通っているならば、聴きやすい標準的な英語を話す先生ではなく、わざとアクセントの強い先生を選んだりするのも一つの方法かもしれません。
たくさんの人や物と出会い、多様性を受け入れ、柔軟な英語力をつけることが本当の意味でのグローバリゼーションにつながるのではないでしょうか?
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受講生のインタビューもご紹介します。
トライズでの1年は、
一生につながる1年だったと思います。
プロキャディ杉澤伸章さん
インタビュー
Versant 29 → 40
目標:海外選手に英語でインタビューする。達 成
英語に関しては、1年前の僕と今の僕を比較すると、めちゃくちゃ成長しました。僕にとって情報源がものすごく増えたんです。 ゴルフ専門チャンネルで解説をしているのですが、そのときに現地の音声や解説者の声など英語でしゃべってくる音声が全て聞こえてきます。
それはテレビでは放送されていないのですが、映像だけでは入ってこない情報が耳から入ってくるので、それを聞きながらしゃべっています。 現地のリポーターや解説者は一番リアルな情報なので、それが耳に入ってくることによって、例えば解説でも「今、現地ではこういうことを言っていますね」ということが、スッと言えるようになりました。