観光英語検定とは?受験のメリットや試験問題など詳しく解説
英語テストといえば、TOEICや英検が有名ですが、みなさんは「観光英語検定」という検定があるのをご存じでしょうか?
観光業などで必要な英語力を測るこのテスト、海外旅行や訪日ビジネスの需要増とともに、いまこの観光英語検定を受ける方も多くいらっしゃいます。
こちらでは、そんな観光英語検定に関する情報をいろいろとまとめてみました。観光英語検定とは何かから、試験内容や受験のメリットなど、さまざまな情報をご紹介しています。
本記事でわかること
- 観光英語検定とは
- 観光英語検定を受ける目的とメリット
- 試験内容、難易度、申込方法
目次
観光英語検定とは
観光英語検定とは、海外旅行や訪日外国人への観光ビジネスといった、旅行・観光に必要な英語力をはかる検定です。
「全国語学ビジネス観光教育協会」という団体が運営しており、1989年の実施以来、受験者数は20万人以上に達しています。
英語力を測るテストは他にもたくさんありますが、観光英語検定の特徴は、観光分野に特化しているという点にあります。
試験は、空港、ホテル、観光地などにおける、外国の方とのコミュニケーションを想定とした問題で構成され、観光ビジネスに従事する方をはじめ、海外旅行を楽しみたい、観光時に英語でコミュニケーションを取りたいという方が受験しているテストになります。
観光英語検定のメリット
観光英語検定を受けるメリットは以下の3点です。
- 観光業界への就職
- 観光業界でのスキル・キャリアップ
- 旅行・観光で活かせる
まず、これから観光業界への就職を目指す学生や、転職を希望する方は、観光英語検定を資格として履歴書に書くことができ、就職へのアドバンテージとなります。
また、観光業界に携わっている方は、スキルアップやキャリアアップとして活用でき、企業によっては優遇措置を受けることもできるとのこと。
そのほか、仕事だけでなくプライベートでも受験のメリットはあって、観光英語検定の所得を目指すことで、実際の海外旅行で活かせる英語力を身につけることができます。
観光英語検定を受験したことのある方によれば、実務に直結した内容で仕事に活かすことができ、仕事で使わない方でも海外旅行の諸手続きなどで十分活用できるとしています。
観光英語検定の試験内容
観光英語検定には、1級、2級、3級の合計3つの試験があり、各級によって出題される問題や出題形式、難易度がそれぞれ異なります。
試験概要
試験は、2級、3級は筆記とリスニングで行われ、1級ではネイティブとの面談もあります。
試験問題は、旅行で使用する日常会話をはじめ、ホテルの予約や出入国手続きに必要な英語、観光業に必要な実務英語など、各級に応じて観光に関するさまざまな英語が出題されます。
年2回実施され(※年度によって変更あり)、全国13カ所での受験が可能です。
試験科目と実施時間
級 | 試験科目(実施時間) |
1級 | ・ 筆記(10分)
・ 面接(10分) |
2級 | ・ 筆記(60分)
・ リスニング(30分) |
3級 | ・ 筆記(60分)
・ リスニング(30分) |
出題内容
級 | 出題内容 |
1級 | ・ 観光、旅行業に必要な実務英語
【場所】 各種受付(旅行代理店、航空会社など)、空港、駅、ホテル、レストラン、税関、劇場など 【状況】 苦情と謝罪、誤解と説明、要求と情報提供、予約および変更・キャンセル、電話応対、ガイド、病気、けがなど 【文書】 手紙、申込書、ファクシミリ、チケットなど 【専門知識】 航空会社・旅行代理店・ホテル等で一般的に使用される略語や専門用語 【その他】 世界の国々の文化や習慣、国際儀礼(プロトコール) |
2級 | ・ 観光・ 旅行業に必要な英語、日常会話
予約関連業務、ホテル関連業務、出入国に関する手続き、機内放送などのアナウンス、食事、通貨、交通機関など |
3級 | ・ 観光・旅行に必要な英語、日常会話
曜日、時刻、数字(単位含む)、英語の掲示やパンフレット、地名、世界と日本の観光名所、日本の祭りや年中行事また民芸品、あいさつなど |
受験地
札幌市、仙台市、東京23区内、横浜市、金沢市、名古屋市、大阪市、神戸市、広島市、松山市、福岡市、熊本市、那覇市
※ 1級の試験会場は、東京と大阪のみ
実施日
年2回(6月下旬、10月下旬)※
※ 新型コロナウイルスの影響により変更あり
試験問題と形式
試験は、2級と3級は筆記とリスニング、1級は筆記と面談で行われます。
2級と3級の試験問題は、筆記50問リスニング40問で構成され、1級は、和訳2問、英訳2問と質疑応答の面談があります。
1級の試験問題
問題数 / 時間 | 形式 | |
筆記 | 4問 / 10分 | 英文和訳、和文英訳 |
面談 | – / 10分 | 課題への質疑応答 |
1級は、観光、旅行、エアライン、ホテル・レストラン、通訳ガイド、国際添乗業などの業界を目指す人を対象に、筆記試験と面接で実施されます。
筆記試験(10分)は、和訳が2問、英訳が2問、面接(10分)は、ネイティブへの質問に答えるという形式です。
以下は、筆記試験のサンプル問題となります。こちら(観光英語検定の案内)でも確認できます。
【和訳問題のサンプル】
♦ 次の英文を日本語に訳しなさい。
The Gassho-zukuri farmhouse is so named because that the steep-sloping roof of the farmhouse looks like “hands folded in prayer”.
【英訳問題のサンプル】
♦ 次の日本文を英語に訳しなさい。
みなさま、ただいまより安全のためのデモンストレーションビデオを上映いたします。座席ベルト着用サインが点灯しますと、座席ベルトを腰の低い位置でお締めください。
2級の試験問題
問題数 / 時間 | 形式 | |
筆記 | 50問 / 60分 | 短文の語句(空所補充)、長文の語句(空所補充)、長文、会話、文の内容(一致選択)並べかえ |
リスニング | 40問 / 30分 | 長文、会話、文の内容(一致選択) |
2級は、予約関連、ホテル関連業務、出入国に関する手続き、機内放送などのアナウンスなど、観光、旅行業に必要とされる基本的な英語が出題されます。
問題数は、筆記が50問(60分)、リスニング40問(30分)で、解答はすべて、(A)(B)(C)(D)の4つから正しい答えを選ぶ、マーク式の「選択問題」となっています。(公式による、2級の過去問はこちら)
3級の試験問題
問題数 / 時間 | 形式 | |
筆記 | 50問 / 60分 | 短文の語句(空所補充)、長文の語句(空所補充)、長文、会話、文の内容(一致選択)並べかえ |
リスニング | 40問 / 30分 | 長文、会話、文の内容(一致選択) |
3級は、「一泊いくらですか?」「往復切符がほしい」といった、旅行で使うような英語を中心に出題されます。
問題形式は2級と同じ、筆記が50問(60分)、リスニング40問(30分)で、解答も、(A)(B)(C)(D)の4つから正しい答えを選ぶ、マーク式の「選択問題」です。(公式による、3級の過去問はこちら)
観光英語検定の難易度と合格率
観光英語検定は、公式サイトにて各級のレベルと難易度、合格率を公開しています。そちらを参考に、どのくらいのレベルが必要なのか見てみましょう。
各級のレベルと難易度
観光英語検定は、海外旅行や観光業務にかかわる内容で問題が作成されています。
級が上がることで難易度も上がりますが、すべての級を通じて、海外におけるマナーや習慣の違い、旅行や観光で使われる専門用語や慣用表現、国際的な常識などの理解が求められます。
1級のレベルと難易度
級 | 語彙力 | TOEIC | 英検 |
1級 | 約8,000語 | 600~860点 | 1級、準1級 |
1級は、約8,000語の語彙力があり、正確な文法・構文の理解があることが取得の目安とされています。
具体的には、専修学校修了以上の学習内容を取得している、または、最低2~3年以上の業務経験があるレベルとのこと。
ほかのテストに換算すると、TOEICスコア600~860点、英検準1級、1級のレベルが目安とされています。以下は、1級を取得するとできることの目安です。
- 海外で日本人客を接遇し、英語で添乗業務ができる
- 外国人に観光地や名所旧跡などを英語でガイドできる
- 国内のホテルなどで外国人に英語で接遇ができる
- 海外の風俗習慣や国際儀礼といった異文化を英語で理解し、かつ紹介できる
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関連記事:英検準1級のレベルや合格率はどのくらい?1級や2級との違いも解説
2級のレベルと難易度
級 | 語彙力 | TOEIC | 英検 |
2級 | 約5,000語 | 470~600点 | 2級 |
2級の取得には、約5,000語の語彙力と、適切な文法・構文(高等学校修了程度の学習内容)の理解が求められます。
TOEICスコア470~600、英検2級がレベルの目安です。具体的には、以下のことができるとされています。
- 海外旅行の際、ひとりで旅程を組み、乗り物やホテルの予約ができる
- 海外にて、単独での観光や買物などを英語でできる
- 国内で外国人に観光地や名所旧跡などを英語で紹介できる
関連記事:英検2級のレベルはどれくらい?難易度や合格率を詳しく解説!
3級のレベルと難易度
級 | 語彙力 | TOEIC | 英検 |
3級 | 約3,000語 | 220~470点 | 3級 |
3級には、約3,000語の語彙力と、基本的な文法・構文(高等学校中等学年程度の学習内容)の理解度が必要とされています。
TOEICでいうと220~470点、英検でいうと3級のレベルが目安です。
- 海外グループ旅行で、少数の同僚と一緒に英語を使って行動できる
- 英語で、外国人への道案内やパンフレット類の説明ができる。
関連記事:TOEICを英検に換算すると?どちらを受けるべき?違いを解説
各級の合格率と基準点
観光英語検定は、各級の合格率と基準点を公開しています。
こちらでは、第43回試験(2020年10月25日実施)のデータをまとめましたので、参考にしてみてください。
級 | 受験者数 | 合格者数 | 合格基準点 |
1級 | 61人 | 3人(4.9%) | – |
2級 | 1384人 | 767人(55.4%) | 筆記:31点(50満点) リスニング:24点(40満点) |
3級 | 1899人 | 998人(52.6%) | 筆記:26点(50満点)
リスニング:19点(40満点) |
観光英語検定の申込方法
観光英語検定への申し込みは、願書をかねた「払込取扱票」を使って行います。
オンラインでの申し込みはなく、払込取扱票(願書)を観光英検センターから取り寄せて、手数料を支払うことによって申込完了となります。
- 払込取扱票(= 願書)を資料請求で取り寄せる
- 払込取扱票に必要事項を記入する
- 郵便局またはゆうちょ銀行で申し込みする
払込取扱票に記入する情報は、住所と氏名、希望する受験級と受験地です。受験地は、全国13カ所から好きな場所を選択できます。
手数料は、1級が10,000円、2級が4,800円、3級が3,800円です。郵便局もしくはゆうちょ銀行での申込が完了すると出願完了となり、受験日の1週間前までに受験票と受験地の案内が送付されるので、あとはそれを持参しての受験となります。
願書などの資料請求先や、受験の詳細(詳しい願書の受付期間など)は、公式サイトをご確認ください。
- 払込取扱票(願書)を使って申し込む
- 払込取扱票(願書)は、資料請求で取り寄せる
- 郵便局またはゆうちょ銀行で申し込む
- 手数料は、1級10,000円、2級4,800円、3級3,800円
- 受験地は、全国13カ所から選択できる
まとめ
こちらでは、観光英語検定について試験内容や難易度といった情報をご紹介しました。
観光英語検定は、観光に特化した英語テストですので、これから観光業界を志望する方をはじめ、現在その業界で活躍される方にとっても大きな強みとなる資格です。
また仕事だけでなく、海外旅行といったプライベートでも活かせる機会が増えるので、旅行や観光をより楽しみたいという方は受験を検討されてみてはいかがでしょうか。
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受講生のインタビューもご紹介します。
トライズでの1年は、
一生につながる1年だったと思います。
プロキャディ杉澤伸章さん
インタビュー
Versant 29 → 40
目標:海外選手に英語でインタビューする。達 成
英語に関しては、1年前の僕と今の僕を比較すると、めちゃくちゃ成長しました。僕にとって情報源がものすごく増えたんです。 ゴルフ専門チャンネルで解説をしているのですが、そのときに現地の音声や解説者の声など英語でしゃべってくる音声が全て聞こえてきます。
それはテレビでは放送されていないのですが、映像だけでは入ってこない情報が耳から入ってくるので、それを聞きながらしゃべっています。 現地のリポーターや解説者は一番リアルな情報なので、それが耳に入ってくることによって、例えば解説でも「今、現地ではこういうことを言っていますね」ということが、スッと言えるようになりました。